相続する財産は資産と言い切れますか?
相続人にとって不動産か、負動産か?

慣れない上に厄介な利害が絡んでくると、早く終わらせたい
という欲求が募ります。

反論できませんが、それでもことばを補っておきます。

終わった「つもり」も厄介です。

梅雨入り前でも咲いていいます

相続する財産 田舎の相続あるある

石川県加賀地方は典型的な地方社会です。

持ち家率が高く、車社会で、それほど大きな街はありません。

金沢市が45万人の人口といっても、市内中心部の人口は多くなく、
大半は郊外に居住しています。

山間部もあれば、田畑が広がっている居住地域もあります。

金沢市以外でも似たりよったりの風景です。

相続での遺産では現預金に次いてメジャーな不動産ですが、
宅地以外では、

  • 山林

といった土地の種類(地目)も頻繁に登場します。

会計上は「土地」として「資産」として計上される対象です。

不動産としての土地が資産であることは間違いありませんが、
誤解や理解不足の面があるかもしれません。

相続する財産 資産だからお金が…?

会計上の資産であれば、お金やお金を稼ぐ手段といえます。

建物や土地であれば、

  • 事業で不動産を利用して収入を上げる
  • 賃貸や売却による収入

といった選択肢があります。

相続により取得した不動産にも、上記は該当します。

他方、必ず該当するわけではありません。

むしろ、田・畑・山林といった地目では「負動産」にもなりえます。

相続により取得した場合であれば、不動産取得税は課税されません。

一方、相続後には2024年(令和6年)4月以降、「登記」が義務づけられています。

相続税とは別にして、登記の費用負担が生じます。

不動産をを所有することで「固定資産税」の負担が生じます。

「負動産」ととらえている土地であっても、税負担は生じます。

建物では管理に不備があると、行政当局から「特定空き家」とされてしまい、
固定資産税が通常の6倍になる可能性もあります。

不動産には賃貸や譲渡(売却・贈与)といった選択肢はありますが、
「負動産」では選択の可能性は狭くなります。

「相続土地国庫帰属制度」といった仕組みはあります。

とはいえ、国庫帰属はいつでも自由に不動産を処分できる制度
というわけではないので留意が必要です。

相続する財産 相続人が理解しているのか?

相続税の相談では、不動産での認識のズレを感じることがあります。

  • 不動産は資産!
  • 不動産は資産でもあるが、費用負担もある
  • 不動産は「負動産」!
  • 不動産?、資産?、負動産? 

相続人といっても世代や経済状況、不動産の理解はバラバラです。

相続税の算出では財産評価により不動産は金額で表現しますが、
相続後の状況を示してはいません。

遺産分割は相続手続きの山場ですが、影響は長く残ります。

相続人にとって不動産か、負動産か?といった検討も必要となります。

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蛇足
アイキャッチ画像は近所で見かけたヒマワリです。
2024年(令和6年)6月は下旬になっても石川県は梅雨入りしていません。
日照時間が長い時期で天候も良いので、ヒマワリが目立ちます。

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