確定申告の決算書でコミュニケーション!?
「本年における特殊事情」とは?
「一言付け加えたい」ということがあります。
誤解や疑いをさけるためのコミュニケーションは
確定申告でも当てはまります。
特殊事情 スルー?、もどかしい?
事業所得での確定申告では、
- 決算書(青色申告決算書・収支内訳書)
- 申告書
がセットになります。
作成に必要な労力の大半は決算書となります。
決算書は事業活動1年分の帳簿の作成と決算処理が対象となるので、
データががっつり組み込まれた成果となります。
その一方で、決算書の様式は固定されています。
様式だけでなく、勘定科目なども記載されているので、
入力データは金額が中心となります。
ごちゃごちゃ書かずに済むという利点もありますが、
もどかしさを感じることもあります。
とくに経営状況での大きな変動にはことばを補いたい
という気持ちが働くときがあります。
提出先である税務署からの誤解や疑いを避けたい場合です。
特殊事情 一言付け加える
決算書の内容で税務署からの誤解や疑いがかかりそうな対象は、
- 売上
- 経費
- 利益(所得)
に対する大幅な変動があげられます。
上記の対象の大幅な変動は税負担の増減に関わります。
たとえば、売上の急激な減少。
事業者にとっては可処分所得が減るダメージです。
あるいは、大幅な経費の増加。
事業者にとっては利益が減る一方、税負担額が減少します。
いずれも税務当局の目線では、納税額が減ることを意味します。
最優先は申告期限内の申告・納税ではありますが、
大幅な変動の事情も伝えたい対象となります。
確定申告書の決算書では、
- 「本年中における特殊事情」
というスルーされがちな項目欄があります。
青色申告決算書でも収支内訳書でも欄が設けられています。
「確定申告書等作成コーナー」でも入力可能です。
「本年中における特殊事情」は項目欄のみがあるだけで、
書き方の自由度は高いといえます。
言い換えれば、「本年中における特殊事情」を利用することで
決算書でのことば足らずを補うことができます。
たとえば、
- 飲食店でのコロナ禍による急激な売上の減少
- 販路の変更による利益率の変動
- 設備投資による経費の増加
- 災害により設備が被災 etc.
といった前年や例年にはなかった事情を反映させられます。
経営状況の大幅な変動→税務署からの誤解や疑いにつなげない
予防的な措置となります。
特殊事情 変化を説明できるか?
決算書の「本年中における特殊事情」は利用次第で
事業者にプラスになります。
反面、「本年中における特殊事情」は経営状況を説明する
ことを示しています。
前年や例年からの経営上の大幅な変動を説明するためには、
- 前年・例年の経営状況の把握
- 前年・例年と「本年の特殊事情」による乖離
といった実態を理解していることが前提となります。
また、上記のような検討や分析には、
- 信頼性の高いデータ・資料・帳簿・決算書
だけでなく、
- 「本年中における特殊事情」を作成する時間
といった前提も無視できません。
申告・納税は締め切り期限と納税が課題となります。
「本年中における特殊事情」の作成を後回しにして、
未利用に終わらせないことをおすすめします。
蛇足
ちょっとした違いでも当事者にとっては大きな違い
ということがあります。
たとえば、アイキャッチ画像ののどスプレー。
手前のスプレーのノズルは約20mmです。
奥側は約6mm。
わずかな違いですが、利便性は圧倒的に前者です(林実感)。
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