銀行の目線ってどんなもの? 「事業再生ガイドライン」の目的とは?

堅苦しいテーマです。
アイキャッチ画像だけはほんわかで(笑)。

事業再生ガイドライン 嵐の前の静けさ?

2022年(令和4年)はコロナ禍の3年目です。

2月からのロシアによるウクライナ侵攻や円安による物価上昇などが
生活に影響し始めています。

日本全体では飲食業や観光業で苦戦が続いているので、
経済的に明るい話題は少ない状況です。

その一方で、企業の倒産は低水準にとどまっています。

この背景には、2020年(令和2年)以降のコロナ禍対策の融資が
効果を発揮しています。

資金繰りが維持できていれば、経営は持ちこたえます。

だからといって、こうした状況が続くことを期待するのも楽観的過ぎます。

銀行の目線では、現状は嵐の前の静けさという見方かもしれません。

事業再生ガイドライン 「平時」と「有事」

一般社団法人全国銀行協会(全銀協)が2022年3月に、

  • 中小企業の事業再生等に関するガイドライン

を公表しました。

ガイドラインの目的は大きく以下の2つです。

まず、企業の経営状況ごと企業側と銀行側の役割を明確にする
ということがあります。

経営の状況を示すことばとして、

  • 有事
  • 「事業再生計画成立後のフォローアップ」

と厳しい状況が想定されています。

上記とダイレクトに結びつくものではないといいつつ、
ガイドラインの目的の2点目が想定の厳しさを裏付けています。

ガイドラインの目的の2点目は以下の通りです。

  • 中小企業の事業再生等のための私的整理手続」を定める

ガイドラインの目的を踏まえると、「ゼロゼロ融資」といった期待は
今後できそうにありません。

事業再生ガイドライン まずは「平時」

厳しい想定のガイドラインですが、「平時」に対する言及は対照的です。

企業側には主に以下の3点をもとめています。

まず、収益力の向上と財務基盤の強化です。

損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)にデータが集約されます。

2点目は、経営情報の銀行への開示と説明です。

見方を変えると、適時適切な経理処理をしていないと達成が困難といえます。

3点目は、会社と経営者のサイフの分離といえます。

ガイドラインでの言及はありませんが、融資を受けた後での資金使途の管理に
誤解がないように扱うべきとも読めます。

ガイドラインの「有事」や「私的整理手続」と比べると、
「平時」の企業側への期待はいまさらながらの感があります。

とはいえ、「平時」だからこそ「有事」に対する未然の対策がとれます。

経営状況が「平時」であるのにガイドラインの「平時」で冷汗がでるなら、
「有事」以前にやるべきことがありそうです。

 

蛇足
ガイドラインの「私的整理手続」は別の機会に紹介します。
(ブログでは初の予告かな?)

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