事業活動と時間軸 お金と人をとりこむ

時間軸は自分で決めます。

事業活動と時間軸 時間いろいろ

2020年(令和2年)は、事業活動の時間軸を考え直す機会に直面する年です。
事業の開業(私です(笑))や継続・拡大・撤退などの判断が重要になります。

事業活動の時間的な基準(時間軸)も、事業計画全体をみる短期・中長期が一般的です。
計画を実行段階に落とし込んでいく過程では、四半期(3か月)や月次(月)になります。
より詳細な実行の時間軸として一週間や一日ごとのスケジュール管理となります。 

事業活動と時間軸を明確にしておくことで、これまでの活動と現在、現在から将来のつながりや変化がわかりやすくなります。

時間軸は抽象的にはどの事業活動でも同じなのですが、事業活動によって個別の特徴があり、経営に影響します。
重視する事業の時間軸を客観的にみておくことで、冷静な判断につながることもあります。

事業活動と時間軸 バラバラの理由

会計事務所のお客様で、飲食店の経営をされている方がいました。
開業から順調に経営をされていましたが、思わぬ落とし穴がありました。
経営されていた飲食店の近くにあった大学が休みに入ると、学生が帰省してしまい、売上が落ちたことでした。
見方を変えると、その飲食店にとっては大学の学生の動向が売上の変動要因になっていたということになります。
大学や学生の時間軸を経営に折り込む必要があったともいえます。

別の例では、酒造業界の事業年度があります。
酒造業界では、毎年7月からがその年の事業の開始という慣習があります。
言い換えると、酒造会社では6月決算の会社が多いということです。
(お盆に決算処理をやっていたりします)
会計事務所の勤務時代、とある酒造会社の決算申告で棚卸の書類をみていたところ、「○○BY」 という記述が目につきました。
 BYとはBrewery Year(酒造年度,7/1~翌年6/30)を表しています。
決算申告というと金額とにらめっこばかりの印象ですが、この場合はカレンダー・年とのにらめっこもあったといえます。

事業活動の内部要因もあれば外部要因もありますし、業界特有の事情もあるので、判断や行動の基準となる時間軸はバラバラになるわけです。

事業活動と時間軸 人とお金が動く

事業活動と時間軸を考えておく理由は、人とお金の動きに影響するからです。
酒造業界では、日本酒を製造している会社では毎年秋から蔵人(くらびと)募集といった仕込みのための人材が必要になります。
仕込みのために原材料も仕入れるわけですから、そのための支払いの資金繰りも考えていく必要があります。

業界特有の時間軸もありますが、個別の事業者ごとに必要な人材やお金は異なります。

決算書だけを漠然とみていても、どのように判断して行動したかはわかりません。
時間軸という視点をもつことで、より立体的に事業活動をみつめることができます。

 

蛇足
国税庁の人事異動は、例年7月上旬です。

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