簿記が理解できるが使えない理由とは?
追加の学習の機会と対象を逃さない!
理解が早いはアタマが良いことのはずです。
一方で、アタマが良いはずなのにパッとしない、
残念な繰り返しが続くこともあります。
資格試験ではなく、簿記の実践にも当てはまります。
使えない 初心者は複数のテキストがおすすめ!
大人の学習、リスキリングでは、
- 初心者は複数のテキストの購入がおすすめ
といった指摘を見かけます。
学習する内容や対象次第では、適切なテキストの絞り込みは
初心者にとって困難です。
わかりやすい印象や、定評のある、ベストセラーである
といった基準で複数のテキストは選択できます。
複数購入すれば大ハズレはありません。
無駄な出費にもみえますが、大人の学習の効率性では
充分な見返りが期待できます。
一方で、そうした選択をしながらも成果が上がらない、
テキストを買い続けてしまうケースもあります。
たとえば、「簿記」の学習にも当てはまります。
使えない 学習を切り上げるタイミングとは?
大人の学習では「理解」が重視されます。
丸暗記や仕組みの無理解は残念な学習とされます。
学習の成果を自らの判断で実行に移すことが期待されるので、
理解を重視することに違和感はありません。
とはいえ、理解を重視することは、
- 必ずしも反復学習を軽んじるわけではなく、
- 実践が深い理解のみで成り立つわけではない
ということと矛盾しません。
複式簿記は直感的とは言い難い仕組みではありますが、
実践初期までに必要な知識や理解は多くありません。
市販のテキストを購入するまでもないかもしれません。
(「ひみつきち発信 大人の教養簿記」で検索)
他方、ボリュームとして少ない対象とは言っても、
実践段階で参照を続けるようでは理解も怪しくなります。
腹式簿記の実践に必要な暗記量は「九九」より少ないはずです。
会計ソフトの入力に必要な理解や情報が得られたら、
座学を切り上げてしまうことがおすすめです。
使えない 実践が追加の学習を後押し!
会計ソフトは最小限の入力で転記も集計も行えます。
他方で、出力された結果が利用者の期待通り
とはいかないこともあります。
たとえば、現預金の残高がマイナスになる。
クラウド会計ソフトやAIの御業ではありません(笑)。
不適切な会計処理の結果であり、訂正の対象となります。
あるいは、簿記の処理は正しいがわかりにくい表示。
複数の商品やサービスを販売している場合の売上高や、
人件費と関連した預り金勘定などが対象です。
複数の要素が混在して合計されていると、ごちゃごちゃとして
決算書・申告書は作成できても管理状態としては残念です。
「補助科目」の適切な設定でわかりやすく表示でき、
金額の管理も効率よく行えます。
実践的な対応では、簿記の深い理解が必要ではありません。
むしろ、実践の過程で経営に関連する対象がわかります。
消費税は会計処理と並行して処理する対象の税目ですが、
経営規模や状況次第で扱う処理は異なります。
学んだことを実践で活用するためには、
- 早い段階での実践への移行
- 実践状況から追加の学習対象を絞り込む
といったことがおすすめとなります。
大人の学習は理解を重視する、という発想にハマりすぎると、
実践からの成果を逃して上滑りになります。
サポートが必要であれば、税理士への依頼も選択肢です。
理解できているかどうかの質問にも不自由しないはずです(笑)。
蛇足
アイキャッチ画像は散歩中、路上に落ちていたソフトビニールの
恐竜のフィギュアです。
蛍光色だったので、夜に見かけたら不気味だったかもしれません(笑)。
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