専門用語よりも略語を避ける理由とは?
略語がコミュニケーションの足を引っ張る!?

閉じた業界や組織ほど「略語」が多い印象があります。

やりとりしているメンバーも似通っているので
略語を使うことに違和感がないんでしょうね。

他方、部外者や専門外の方とのやりとりが多いと
留意する場面が多くなりそうです。

略語を避ける 専門用語を避けない!

税理士業で税務会計処理の向き合うと専門用語だらけです。

  • 借方(かりかた)・貸方(かしかた)
  • 貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)
  • 減価償却(げんかしょうきゃく)
  • 所得控除(しょとくこうじょ)
  • 益金(えききん)・損金(そんきん) etc

専門用語で一方的にまくしたてられると不安・混乱・不満
といったストレス要因になります。

反面、専門用語を使うことで、適切性・伝達の迅速性
といった効果が期待できます。

専門用語は使い方次第でコミュニケーションでプラスになります。

略語を避ける 不安になる略語

専門用語は適切に使えば有効なツールになります。

他方、専門用語の「略語」には留意が必要だと考えています。

専門用語を略語化して利用することがあります。

たとえば、「航測(こうそく)」。

航空測量の略語で、飛行機やドローンなどで撮影した画像データで
地図を作成したり計測する技術です。

社名でも使われている略語です。

税務会計分野では「納特(のうとく)」がよく使われます。

事業者は原則として毎月10日までに源泉所得税を納税しますが、
小規模な事業者は年2回にまとめて納付できます。

「納期の特例」を略語化して「納特」になるわけです。

他にも「臨税(りんぜい)」といった略語もあります。

確定申告期に役場の職員などが限定的に税務申告書の作成ができる
という仕組みです。

専門用語の略語は専門用語の利用以上に時短で伝達できます。

同時に専門用語を略語化すると、コミュニケーションの溝が広がります

問題は当事者がコミュニケーションの溝に気づきにくいことです。

略語を避ける わずかな確認で効率化

特定の業界・組織内の閉じた状況では略語の使用は便利です。

一方で、略語が通じている・理解されていることが前提になりがちで、
実際の理解や実行が曖昧になる可能性もあります。

担当者の交代や新規のメンバーの加入など状況が変化すると、
略語の常態化がとりつく島もない雰囲気を作っていたりします。

私は専門用語の使用は避けすぎないようにしていますが、
略語については言い直したり内容を確認しています

些細なことですが、略語がかえって足を引っ張ることもあります。

わずかな確認が効率化にも時短にもつながります

 

蛇足
アイキャッチ画像は散歩中に撮影した「メマツヨイグサ」です。
花は可憐ですが、大人の背丈ほどまで成長していました。
付近の水田の稲とはまったく異なる野生育ちですが、
背丈は倍以上でした(笑)。

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