損益計算書だけならカンタンに作成できるか?
仕組みの理解と実際の処理を混同してませんか?
決算書をすべて完璧に理解して作成する!というと、
ググッと気が重くなります。
では、損益計算書だけならどうか?
それならカンタンでしょ!?と想ったのであれば、
本文を読んで誤解を解いてください(笑)。

印象と誤解 貸借はカンタン!?
経営状態はさておき、決算書がわかりやすいと感じる方は多いとは言えません。
とりわけ、「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」。
事業経営での決算日時点での資産や負債を計上します。
この段階で「?」だったり、眠気を感じるかもしれません(笑)。
税理士として決算書の内容をお客様に伝える際には、
- 現金や預金などの直感的にわかりやすい勘定科目から
- 決算日時点の金額のみを計上している
といったことをお伝えするようにしています。
貸借対照表はカンタンに作成できると思われると誤解ですが、
とっつきにくい印象の払拭には有効です。
印象と誤解 損益はカンタン!?
「損益計算書」の印象は貸借対照表と正反対ともいえます。
売上から経費をマイナスして利益を計上している
というわかりやすさが損益計算書にはあります。
- 売上-経費=利益
事業経営の所得税や法人税では、利益≒所得ととらえて、
税額を計算します。
- 所得税・法人税=所得✕税率
損益計算だけわかっていれば税額の計算はカンタンにできる
と誤解されそうです。
割り切った損益計算の仕組みがカンタンにみえることと、
実際の税務会計処理が混同されているかもしれません。
素朴な理解での損益計算では、
- 現預金の入金を売上に計上
- 支払った対象を経費に計上
と極度に単純化して処理で誤った処理に陥りがちです。
売上の計上でさえ、現金主義ではカバーしきれません。
発生主義や実現主義といったとらえ方が必要です。
固定資産と減価償却、借入の返済と支払利息などの処理も
経費の計上と貸借の増減を考慮する必要があります。
印象と誤解 とりかかる前にご確認!
損益計算書と貸借対照表のどちらがカンタンに作成できるか?
といった問いは残念な誤解につながります。
損益計算書の作成だけであればシンプルな印象ですが、
- 現金主義だけでは不十分
- 貸借対照表の科目の動きは無視できない
といった留意点があります。
損益計算書だけならなんとか自力で作成できるかな?
と想ったのであれば理解のセルフチェックがおすすめです。
誤解での誤処理だけでなく、時間の空費も重なってくると、
とっつきにくい決算書が手に負えなくなります。
意気込みを空回りさせないことがおすすめです。
蛇足
アイキャッチ画像は散歩中に撮影した「杠(ユズリハ)」です。
ユズリハは新しい葉が出てくると古い葉が場所を譲るように
落ちるので世代交代や子孫繁栄の縁起物として観賞されます。
年末年始の青空に映えるわけですね。
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