申告年度だけの通帳データでは足りない!?
決算処理の答え合わせとは?

会計処理はソフトに入力したら終了!、は誤解です。

緊張がともなう「答え合わせ」が待っています。

気の抜けない季節の朝

決算答え合わせ 自己採点まで!

会計ソフトを使った処理はデータの入力や取り込みで完了!
とは言えません。

入力が終了するとホッとしますが、「答え合わせ」が待っています

会計の答え合わせというと税務調査を連想しがちですか、
処理の過程では「自己採点」となります。

実務上の会計処理ではあらかじめ用意された模範解答はありません。

一方、否定できない事実を答えとして処理を確認します。

代表的な否定できない事実として「通帳」の取引履歴があります。

お金の入出金の記録を銀行などの金融機関が時系列に並べた
一見すると無味乾燥なデータです。

通帳の記録は日付・金額・取引先と簡素なデータの集まりですが、
第三者から提供されるため恣意性が介在しません。

客観的な「答え合わせ」に都合のよいデータとなります。

決算答え合わせ 申告年度だけでは足りません!

税理士は会計処理の確認に通帳のデータを重視しますが、

  • 申告年度のデータだけでは足りない!

ということで資料の追加をお客様にお願いすることがあります。

法人でも個人でもこの点は共通です。

理由は「発生主義」です。

お金の入出金時点で売上や経費を計上する「現金主義」ではなく、
取引の成立で計上する「発生主義」で処理するためです。

たとえば、個人事業で12月31日に売上の請求をした場合。

  • (借方)売掛金 (貸方)売上

入金が翌年1月以降であっても売上を申告年分に計上します。

翌年1月以降の入金状況や売掛金の管理から前期末時点の確認、
「答え合わせ」をすることになります。

同じことは申告年度の期首(個人なら1月1日)にも当てはまります。

期首時点で計上されている売掛金が1月以降に回収されているか?
といった確認をします。

買掛金や未払金でも同様の「答え合わせ」となる確認をします。

申告年度の通帳データだけでは足りないわけです。

決算答え合わせ リセットではなくコンティニュー

会計処理は基本的には1年間を対象にしています。

損益計算書の期間も1年間が基本です。

貸借対照表の日付は期末日です。

1年という区切りの良さは直感的にわかりやすいのですが、

  • 事業は暦と関係なく切れ目なく続いている

という欠かせない現実があります。

1年間の会計データから損益計算書や貸借対照表に出力されると
あたかも会計処理が完了した心持ちになります。

通帳の取引履歴は処理の確認とともに事業の継続へと視点を移す
といったツールとしての役割もあります。

会計年度はリセットではなくコンティニューが前提です。

通帳の取引履歴を利用した会計処理の「答え合わせ」が有効になります。

 

蛇足
アイキャッチ画像は車に降り積もった雪です。
2023年(令和5年)も例年通り石川県は雪国化しています。
一晩で30cm近く積もると、除雪してから一日の開始です(笑)。

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