取引先のインボイス対応を様子見は安全策か?
インボイス対応は一過性ではありません!
未踏の領域といっても、未知ばかりとはいえません。
現状からでも検討できる余地があります。
インボイス様子見 嵐は起きるのか?
2023年(令和5年)10月1日から消費税インボイス制度が始まります。
制度開始を前にして、
- どんなトラブルが起きるのか?
- 免税事業者は対応すべきなのか?
- インボイス制度って何?
と不安や疑問が混沌としています。
課税事業者であれば、インボイス登録済みが目立ちます。
一方、免税事業者では「様子見」というケースもみられます。
台風が迫りくる中で、台風の進路や風速の報道を注視している
といった雰囲気とも言えます。
インボイス様子見 取引相手の動向は?
免税事業者がインボイス登録をすると課税事業者となると、
消費税の納税が必要になります。
制度開始から3年間は「2割特例」といった、
- 納税額≒売上高✕2%
という軽減措置が選択できます。
また、「2割特例」以降も簡易課税制度の選択肢もあります。
しかし、課税事業者となれば税負担が増えることに変わりません。
取引先が一般の個人消費者に限定される場合を除き、
取引先の動向に注視する必要があります。
免税事業者に「2割特例」での税負担の軽減措置があるように、
課税事業者にも免税事業者との取引に対して、
- 「80%」・「50%」の仕入税額控除可能
という緩和措置が選択できます。
また、簡易課税制度を選択している課税事業者であれば、
- 納税額=(受け取った消費税)-(受け取った消費税✕みなし仕入率)
と収入からの「受け取った消費」と業種ごとの「みなし仕入率」から
納税額を算出できます。
取引先が簡易課税を選択している課税事業者であれば、
免税事業者がヤキモキすることはないとも言えます。
課税事業者の「80%」・「50%」仕入控除措置や簡易課税の選択は、
免税事業者がインボイス対応を「様子見」する根拠となります。
インボイス様子見 見えない選択と慌てない対応
免税事業者だからといっても、取引相手の動向や選択次第では、
インボイス対応が不要の可能性があります。
一方で、取引相手の動向や選択は課税事業者側の判断であり、
免税事業者が左右できるわけではありません。
また、安易な想定や期待と反する現実や実態もありえます。
取引先の売上高が5,000万円以下と想定していた場合でも、
必ずしも簡易課税を選択しているとは限りません。
たとえば、多額の設備投資を予定していた場合には、
本則課税を選択していることもあります。
取引先の選択を免税事業者が全て把握することは不可能です。
インボイス対応を「様子見」することも選択肢ですが、
無視や放置は取引の継続や機会を損ないます。
「様子見」しつつも、インボイス対応必要がとなった場合には、
登録や取引先との対応をとれる理解が必要です。
台風とは違い、インボイス制度は一過性ではないので、
注視は続ける必要がある点にご注意となります。
蛇足
アイキャッチ画像はは田んぼの脇でみかけたヒマワリです。
ヒマワリは黄色い花の思い込みが強いこともあり、
赤い花が強く印象に残ります。
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