コストを計算するとペーパーレスが進まない!?
きっかけを脳内変換する!?
「コスパ」も「タイパ」も気になります。
だからといって変化の原動力になるかは別問題です。
コスパで進まない 変化のきっかけ向き不向き
「白い悪魔」といえば一般的には「ガンダム」です。
嘘です(笑)。
「白い悪魔(The White Devil)」の元ネタは戯曲のようです。
現在のオフィスワークでは大量の紙書類が「白い悪魔」となっています。
かつて、私が通信会社で設計業務に従事していたころ(2015年前後)、
ペーパーレス化を進める動きが強まっていました。
毎月台車1台分のにコピー用紙を消費していた職場だったので、
コスト削減からのペーパーレス化が進められました。
削減目標を段階的に決めて、定期的に紙の使用量を把握して
棒グラフに見える化していました。
結果は無事に目標達成。
- コスト削減の必要性を自覚
- 目標の設定
- 定期的な進捗状況の確認
- 見える化で情報を共有
と絵に描いたような展開です。
大規模な組織での目標達成という面で理想的といえます。
コスパで進まない 個人・小規模の変化のきっかけ
ペーパーレス化は2020年(令和2年)のコロナ禍以降より強まっています。
ペーパーレス化にオンライン化やハンコレスも加わっています。
役所に提出する書類でのオンライン化やハンコレスも増えています。
一方で、個人事業主や小規模事業者では対応に差が目立ちます。
積極的にオンライン化やペーパーレス化を進める方と
後手にまわる方の違いです。
両者の対応の違いをコスト意識の強弱とは言い切れません。
個人や小規模組織の場合、
- 大組織のような劇的な変化の実感は困難
という現実があります。
わずかのコスト削減のために慣れた仕事のやり方を変える
ということに魅力がありません。
むしろ、短期的には、
- IT機器の購入費用
- ITの通信運用やソフト・アプリなどの費用
といった目に見えるコストが増加します。
また、IT機器の運用面での心理的な負担もあります。
目に見えにくい運用上の負担はコストとして把握しづらいので、
心理的な負担となって変化のブレーキになります。
「コスパ」や「タイパ」が変化の原動力となるよりも、
- 変化を避けるための「みかじめ料」として費用を負担する
と脳内変換されかねません。
残念なことは、オンライン化やペーパーレス化を避けるために
余分なコストを支払っていてもプラスになることがないことです。
メールで済む用件を
- 印刷・コピー・封入・切手・投函
- データとして利活用できないFAX
といった手段で代替した場合の違いでわかるはずです。
コスパで進まない でっちあげの技法!?
個人や小規模組織の場合、変化は「外圧」がきっかけとなる
ということがよくあります。
とくに取引先からの要請で断りにくい立場の場合、
結果として変化を受け入れることになります。
たとえば、2023年(令和5年)10月からの消費税インボイス制度。
インボイス制度では課税事業者登録への対応に加えて、
- 電子インボイス
といった変化も想定されています。
インボイス制度や電子インボイスは個人や小規模組織には
明らかに外圧です。
とはいえ、オンライン化やペーパーレス化へシフトする
「きっかけ」と脳内変換することもできます。
- 消費税インボイス制度導入
- 課税事業者登録
- 電子インボイスの利用
- 結果としてオンライン化やペーパーレス化
上記「1」「2」「3」は「きっかけ」になり得ます。
「きっかけ」をでっちあげたり脳内変換した場合でも
ペナルティはありません。
変化のプラス面を享受することが目的です。
「きっかけ」を振り返る必要はありません。
蛇足
「タイパ」は「タイムパフォーマンス(時間対効果)」の略です。
「世知辛い」や「貧乏くさい」と背中合わせのことばですが、
なぜか合理的な発想とされているようです(知らんけど)。
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