税理士は倉庫業も営んでいる!?、という誤解
税理士業を営むと、もれなく不動産収入があります
というわけではありません(笑)。
税理士倉庫 ミシィィィィッ!?
嫌な音は説明抜きで感じとれます。
たとえば、黒板に爪を立てたときの音。
あるいは、床板がたわんできしむ音。
かつて勤務した税理士事務所は事務所とは別に、
別棟が敷地に併設されていました。
別棟は普段利用されておらず、出入りもなく
資料の保管場所として使われていました。
たまに資料の格納などで別棟に入ると、
- ミシィィィィッ!?
と床のたわむ音を聞いた記憶があります。
長年の事務所経営の結果累積した資料の重みで
床が抜けそうになっていました。
税理士倉庫 預かる・保管も業のうち?
税理士が保管・収納している紙の資料とは、
- 顧客の決算書・申告書の控え
- 顧客サービスで作成した資料
- 図書・研修資料
といったところが目立ちます。
その程度?、と思われるかもしれませんが、
毎月・毎年の累積効果は凶暴性を増します。
棚やキャビネットに収納しきれなくなった資料は
段ボール箱に入れられ、積み上げられていました。
図書や研修資料も毎度の税制改正への対応資料や
定期刊行物で凶悪な累積状態となっていました。
ペーパーレス化は効率化・コスト削減からのテーマ
としてとらえられます。
安全な職場環境の確保もペーパーレスの目標に
加えたいところです(笑)。
疑問だったのは、
- なぜ顧客の資料を税理士(事務所)が保管しているのか?
という点でした。
過去のデータを参照したい、という欲求は一見合理的です。
とはいえ、実際にそうした欲求による参照の機会は
記憶にありませんでした。
むしろ、顧客の資料まで保管していた背景には、
- 顧客側で資料の保管や管理をできない
という税理士側での判断が本音だったようです。
税理士倉庫 誤解が解決を先送り
上記の税理士の判断、顧客が資料を管理できないから、
税理士が補完的に資料を保管することは、
- 管理の切り分けが不明瞭になる
- 顧客・税理士双方での効率性が改善しない
- 文書管理という表面化されないコストが発生する
という問題の解決を先送りしてしまいます。
現在、電子帳簿保存法が整備され、パソコンなどの機器、
オンラインストレージの利用コストは大きくありません。
改正電子帳簿保存法は2022年1月よりスタートして、
2024年1月まで義務化が「宥恕(ゆうじょ)」されています。
(「宥恕」は、見逃す・罪に問わないという意味です)
とはいえ、現状の課題を棚上げする根拠とはなりません。
税理士事務所の床の補強工事代金を請求される前に
ペーパーレス化に取り組むことがおすすめです。
蛇足
文書を扱うことで主要な業務とする仕事では、
「白い悪魔」紙への対策は必須です。
床の補強や安い貸倉庫の確保は対策ではありません(笑)。
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