個人事業主の消費税インボイス制度登録が進まない理由とは? 誤解と不安を解消する!
誤解や不安が解消できれば、対処方法を考えていく
と前向きになれます。
登録が進まない 法人はボチボチだが…
2023年(令和5年)10月より消費税のインボイス制度が始まります。
消費税の納税額は、
- (受け取った消費税) - (支払った消費税) = 納税額
という考え方をします。
インボイス制度では「支払った消費税」の裏付けが必要になります。
言い換えると、
- 課税事業者登録をしている支払先かどうかの書類が必要
ということになります。
2021年10月から課税事業者の登録は始まっています。
法人の場合、
- 登録制度が始まった段階
- 決算が終了した後
といった節目をきっかけに登録するケースが目立ちます。
その一方で、個人事業主、とりわけ
- 売上高1,000万円未満の消費税免税事業者
- 年一(ネンイチ)での決算・確定申告
- 税理士との接点が少なめ(無し)
といった方では登録が進んでいない印象があります。
登録が進んでいない理由には誤解や不安がありそうです。
登録が進まない 個人事業主の誤解と不安
年一での決算・確定申告をされている個人事業主であれば、
- 新年1月~2月に書類を税理士に渡して、
- 2月~3月上旬に申告手続きを完了させ、
- 3月~4月に所得税の納税が完了
といったケースが多いかもしれません。
上記のような年一のスケジュールを選択する背景には、
- 自分の納税する税金は他の事業者に影響しない
- 売上と経費の集計ができれば所得税額がわかる
- ある程度納税額を予想できている
という面で合理性がありそうです。
反面、上記のような合理性があると考えていると、
インボイス登録は先送り・棚上げしがちになります。
まず、前述のようにインボイス制度の下では消費税の納税額が
取引先が登録事業者かどうかで左右されます。
また、消費税の納税額の計算は、
- 原則課税
- 簡易課税
と選択の可能性があります。
有利な計算方式を選択できますが、場当たりの選択は不可能です。
あえてざっくり言ってしまえば、所得税の計算とは別モノです。
事業の利益(所得)が対象の所得税とは計算が異なります。
年一での決算・確定申告で納税を完了させていた場合、
降って湧(わ)いた消費税負担と直面する可能性があります。
登録が進まない 2022年スタートがおすすめ
インボイス登録の手続きは困難なものではありません。
取引上、インボイス登録が必要になった後では、
- 帳簿作成などの経理処理
- 消費税の申告書作成
- 納税額と資金繰り
といったところが取り組む課題となります。
インボイス登録は2023年3月31日が目途とされています
とはいえ、2022年(令和4年)から対策しておくことで、
- 有利な計算方法の選択
- 2023年以降の資金繰り
- 取引先との対応
といった懸念が解消できます。
インボイス登録をきっかけにして、経理や確定申告の進め方を見直す
という選択肢がおすすめです。
蛇足
2023年からは取引先や支払先での、
- インボイス登録完了しました
- インボイス対応領収書OK
といった応対や表示もみられるかもしれません。
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