会社をつくると給与所得控除を実感できます!
存在感が大きかったり、当たり前だと思っていると
ありがたみに鈍感になります。
コアヤメ
給与所得控除 ちぐはぐなお話
税理士という職業柄、話の合いの手で尋ねられるのは、
- なんかお得なことない?
といったことです。
(税理士相手の無難な会話集にありそうな会話です(笑))
税務相談というわけでもなければ、
- ふるさと納税なんていかがでしょう?
と当たり障(さわ)りなく応えています。
内心は、
- でっかい節税してるじゃないですか(笑)
といったところです。
でっかい節税の対象は「給与所得控除」です。
給与所得控除 大きくて当たり前の所得控除
所得税のおさらいをしてみます。
- 所得 × 税率 = 所得税
- 所得 ≠ 収入
「所得」と「収入」の違いは、事業所得の個人事業主では、
- 収入 - 経費 = 利益 → 所得
と理解できます。
収入・経費から利益(所得)を確定する決算が重要な過程となります。
事業所得の節税対策で経費が注目される理由がわかります。
誤解されやすい所得は給与所得です。
事業所得のように所得を確定する決算処理がありません。
うっかりすると、給与収入=給与所得と誤解しそうです。
給与の収入と所得の関係は以下の通りです。
- 給与収入 - 給与所得控除 = 給与所得
いまいちピンとこない式にみえるかもしれません。
給与所得控除に反応しづらい理由は、
- 給与所得者本人の意思とは無関係に
- 機械的に適用され
- 振り返る機会がない
といったことにあります。
具体的に言い直すと、
- 給与所得者が算出過程に参加しない上に
- 年末調整で所得税の処理が完了する
といった仕組みがあるので、給与所得控除を実感しづらいわけです。
給与所得控除の金額は以下の通りです。
給与所得控除 勤務しても独立してもスルー!?
勤務時代を経て、個人事業主として独立して事業が軌道に乗ると
「法人成り」という選択肢が有力になります。
法人成りのメリットの一つが給与所得控除の利用です。
個人事業主では、事業に関連した経費のみが節税の対象です。
法人成り、会社をつくると社長といっても会社(法人)から給料を受け取ります。
法人の事業収入に関連した経費だけでなく、
給与所得控除による節税も利用できるわけです。
「税金 節税」は注目されやすい対象です。
残念なことは、小手先の課税の繰り延べ(先送り)など
ピント外れの内容が目立つことです。
確定申告の手続きや計算を理解すると、ピントは合うはずです。
法人成りには、経理・法人税・社会保険料といった負担も加わります。
勤務している場合でも、個人事業主で事業をしている場合でも、
税務申告のプロセスを知っていると早合点や誤解は避けられるはずです。
蛇足
2022年(令和4年)は初夏より租税教室に登壇予定です。
国民の義務での「納税」はことばがシンプルなためか、
生徒からの反応は良好です。
一方、「申告納税」となると大人でも反応ががっくり落ちます(笑)。
「納税」と「申告納税」の間に大きな溝がありますね。
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