税制改正で帳簿が厳しくなる!? ホントと残念な誤解
ウソではないわけですが、ちょっと誤解が出そうです。
帳簿が厳しくなる!? 税制改正のアナウンス
商売のネタでもあるのですが、困りもののタネでもあるのが
税制改正です。
(どんな変更も「改正」です(笑))
所得税であれ法人税であれ消費税であれ、
税金の裏付けとなる税法は毎年変更されています。
税制改正、税金の仕組みの変更というと
- 増税
- 減税
がとりあげられがちです。
とはいえ、税制改正では単純な増税・減税だけでなく
税金とその周辺までに影響が及びます。
たとえば、税理士受験資格。
令和4年度の税制改正では受験要件が緩和される方向です。
令和4年度の改正では「記帳義務」にも言及されています。
一見すると、改正後は記帳義務が厳しくなる印象です。
帳簿が厳しくなる!? どれだけ厳しくなるのか?
税制改正案に示されている記帳義務の強化は以下の通りです。
まず経費の計上についての強化案です。
上記をざっくりまとめると、
- 帳簿に計上されてない経費は認めない
といえます。
次に帳簿の整備や保管が不十分な場合のペナルティの強化です。
なるほど、確かに税制改正では帳簿に対する厳しさが増しています。
ただし、改正案の内容は「(笑)」やツッコミ無しには読めません(笑)。
帳簿が厳しくなる!? 現状と対策
改正案のなかみをどうとらえるか、
という前に現行制度を確認します。
法人税では簡潔に帳簿の必要性が明示されています。
(法人税法施行規則第54条)
会社法でも会計帳簿の作成は規定されています。
個人事業主でも法人と同じように帳簿の備え付けが必要です。
下記は青色申告者への記帳に言及していますが、
白色申告でも記帳は欠かせません。
帳簿や書類の保存が必要なことも明示されています。
現行制度を確認しつつ税制改正案をみると、
- (笑)
- いまさら!?
といった印象しかないはずです。
「はずです」(笑)。
改正案の内容をみて、慌てたり改正案が厳しすぎるという印象では
改正後の将来ではなく、現状すでに問題を抱えています(笑)。
悪意があっての簿外経費の計上や帳簿の不備は
問題外なので言及しません。
税制改正での記帳義務が厳しく感じるのは、
- 帳簿を作成しようと思っているのにできていない
という現状に焦(あせ)りを感じる経営者です。
帳簿の作成が出来ない理由は、
- 性格が原因というよりも
- 帳簿の作成方法がわからない
- 帳簿と税金のつながりがわからない
- まとめて処理しようとして先送りしている
といった悪循環による影響が大きいかもしれません。
知識やノウハウを裏付けに記帳を進められれば、
改正案をみても「(笑)」で済ませられます。
税制改正の前に先手を打つことがおすすめです。
蛇足
なんだかやけに「(笑)」が多い記事になりました(笑)。
改正の背景に興味がわきます。
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