悪スジの節税にはまらないイメージをつかんでおく!

税理士版「嫌われる勇気」。


稲の側のハス

悪スジの節税 必ず提案するわけではない理由

依頼者側から税理士への不満としてあげられる内容の定番に、
節税の提案をしてくれない、といったことがあります。

税理士への依頼=節税のサービス、という前提ならば
そうした不満が出るのも無理がありません。

とはいえ、そういった依頼者側からの不満の声とは別に、
あえて節税を提案しない税理士側の言い分もあります。

会計や税金というと専門知識でとっつきにくい印象ですが、
ざっくりとしたイメージは難しくはありません。

節税の効果を見える化して解説します。

悪スジの節税 節税のイメージを理解する

今回の解説では法人と個人の区別はしません。

まず、経営の成績を表している損益計算書を確認します。

損益計算書の構造はシンプルです。

売上ー経費=利益、これだけです。

利益に「?」が付いています。

バザーでの模擬店はともかく、現実の事業では税金があります。

税金を取り込んだイメージは下記のようになります。

税金を負担したため、利益が減っています。

税金が発生することで利益が減少します。

税金の発生を抑える、節税という発想が出てきます。

利益がある → 税金が発生する → 利益が減る →節税!?

売上を一定としつつ節税をするなら、経費を追加することになります。

イメージで確認します。

税金は減っています。

節税前と節税後を比べてみます。

利益×税率=税金です。

利益を減らす経費をプラスしたので、税金が減るわけです。

見逃せないポイントは税金も減りますが、利益も減っていることです。

税金を減らすことだけが目的ならば、経費をプラスするということが有効です。

その一方で、節税と同時に利益も減っていること(上記「?」)に注目すべきです。

会計や税務の専門的な考え方である発生主義から離れて、事業活動を
お金(キャッシュ)からの視点でとらえ直します。

利益という抽象的なイメージをお金に引き寄せます。

売上をお金の入ってくる収入、経費をお金の出ていく支出と単純化します。

収入ー支出=お金、となります。

経費、支出のプラスが節税につながる一方で、手元のお金が減ることがわかります。

悪スジの節税 納税は最終ゴールじゃない

事業活動が続くかどうかは、お金の有無で決まります。

お金の切れ目を作らないのが事業活動ともいえます。

また、基本的には事業活動は将来にわたって続いていくことが前提です。

節税は、事業にともなう決算・申告・納税という短期的な視点では
税金の負担を減らす効果があります。

お金に余裕があり、投資の前倒しをすることが、
結果的に節税となるケースはあります。

それとは逆に、事業活動に必要なお金を手元から流出させてしまう
悪スジの節税もあります

納税は事業活動の最終ゴールではありません。

節税対策は税理士のサービスの一環です。

節税より重要なサービスは、お客様の事業活動の継続・発展のサポートです

 

蛇足
シンプルな構造でも、誤解していると複雑な問題になりかねません。

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