決算も申告も貸借対照表がスタートでゴール!
前年と翌年がつながっていますか?

会計でも税金でも処理に集中すればするほど、
前後のつながりを見失いがちです。

とくに時間のつながりは忘れがちになりやすいようです。

地味な印象の貸借対照表が見失いがちなつながりを
がっちりつなぎとめてくれます。

がっちり根付いているようです

つなぎとめる 当年度だけになりがち!?

事業経営の活動は多岐にわたり複雑です。

お金の動きだけに焦点を当てても、放置しておくと、
未確認と未確定事項で処理が滞ります。

一方、決算書と税務申告書の作成は避けられません。

とりあえず売上と経費の集計だけでなんとかならないか?
と逃げ道を探したくなります。

下手な考え休むに似たりとなります(笑)。

法人経営での決算書や申告書の作成の過程では、

  • 当年度だけでなく、
  • 前年・翌年度までつながる仕組みがある

というとらえ方が前提になっています。

「貸借対照表」が前年・当年・翌年度をつなぎとめます

つなぎとめる 決算も申告もBS!

決算業務では年間の経営成績で損益計算だけでなく、
決算日での財政状態も確定します。

貸借対照表の科目、現金・預金・売掛金・棚卸資産・固定資産、
借入金・買掛金etcとあります。

決算業務では貸借科目の残高勘定を確認しつつ、
決算整理仕訳を追加していきます。

たとえば、棚卸資産の決算整理仕訳。

  • (借方)仕入 (貸方)棚卸資産 前期分仕入にプラス
  • (借方)棚卸資産 (貸方)仕入 仕入より翌期分マイナス

法人の税務申告、法人税の「別表」は複雑な構成ですが、
貸借対照表では「未払法人税等(負債)」として計上されます。

  1. (借方)未払法人税等 (貸方)お金 前期分納税
  2. (借方)法人税等 (貸方)未払法人税等 当期分計上

    1の仕訳の未払法人税等は前期の貸借対照表に計上された額であり、
    2の仕訳の未払法人税等は翌期首に計上されている額となります。

    上記の例では同じ勘定科目が借方・貸方と位置を変えることで、
    前年と翌年につながる処理となっています。

    つなぎとめる 前年と翌年をつなげる!

    未払法人税等勘定に限らず、貸借科目は前後の年度をつないでいます

    当年度だけに注目してしまうと、前年からのつながりだけでなく、
    翌年以降のつながりともかみ合わなくなるかもしれません。

    各勘定科目の総勘定元帳、仕訳、裏付けとなる資料やデータと
    一つ一つ確認していく必要があります。

    決算書・申告書の作成の前に前年分を確認することも
    翌年以降に当年分を振り返る機会も大切になります。

     

    蛇足
    アイキャッチ画像は外出時にみかけた「アオゲイトウ」です。
    11月で気温も低下していますが、しっかり成長しているようです。
    いわゆる雑草ですが、ふてぶてしく年を超すんでしょうね。

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