相続の不安は初期対応で和らげる!
いつからが初期対応か?
他人事での「相続」は話のネタの一つにすぎませんが、
当事者意識でとらえると重みが増します。
相続の「開始」が明るい起点ではないわけですから…
とはいえ、不安を放置しておくと暴走・巨大化します。
不安を感じた初期からの対応が大切です。
初期対応 …と聞いたことがある
税理士として事業経営の税務会計のサポート業務をしていると、
法人税・所得税・消費税の申告税での対応がセットです。
さらに相続・贈与税も追加対応となることが少なくありません。
経営者が不老不死でもなく、事業の承継も経営判断となるので、
相続・贈与税での関わりも必然的にあります。
定期的な面談の際、事業経営での通常の応対に加えて相続や
贈与のお尋ねや検討を行う機会があります。
「相続」は当事者にとってさえ、必ずしも話しやすいテーマ
とは言えない性格があります。
「…と聞いたことがある」と他所の相続を切り口にして、
相談されることがあります。
不安を感じたときは初期対応のタイミングです。
初期対応 段階的に「正しく恐れる」
具体的な問い合わせではなく、漠然とした不安を口にする場合、
何をどこから考えればよいかといった段階で足踏み状態となります。
「正しく恐れる」、知識と理解で裏付けて課題を絞る
といった段階までもって行くことがおすすめです。
たとえば、相続税の検討。
漠然と相続=税金・争族といったとらえ方では不安が暴走・巨大化します。
まず、相続税の仕組みをザックリ理解することが優先です。
- 相続財産に対して相続人が負担する税金
- 相続財産‐現金、預貯金、不動産、有価証券等
- 基礎控除‐3,000万円+(600万円✕相続人)
- 申告期限‐相続開始から10か月 etc
次に当事者としての具体的な対応となります。
想定される財産に不動産があれば「名寄帳(なよせちょう)」を
自治体役場で入手して確認します。
相続財産や相続人のデータが揃えば、税負担の検討まで可能です。
エンディングノートや遺言書の作成といった選択肢の検討も
具体的な対応となります。
初期対応 不安の空回りを防ぐ!
相続や関連した手続きに慣れる機会は少ないはずです。
一方、不安を煽る情報は少なくありません。
「正しく恐れる」機会を逃さないことが大切です。
事業経営で関与している税理士がいる場合には、
とりあえず相談してみることがおすすめです。
不安を放置しておいても具体的な解決にはつながりません。
相談の結果、新たな課題が増える可能性はありますが、
前向きな対応で不安を空回りさせない機会につがります。
蛇足
アイキャッチ画像は散歩中に撮影した「ムクゲ」です。
秋は紅葉が注目されていく季節ですが、花の魅力は失せませんね。
ムクゲは薬用植物でもあるそうです。
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