相続の相談で優先する士業とは?
弁護士、司法書士、税理士?

相続手続きは慣れるほどの機会がないにもかかわらず、
複数の法律が関連するので厄介です。

士業のサポートが相続手続きに有効とはわかっていても
どの士業を優先すべきかが悩みのタネになります。

手続きの方向性をあらかじめ確認することがおすすめです。

相続と士業 宛先を説明して失注!?

税務相談よりも申告の依頼を前提にお問い合わせいただくことがあります。

なんだか楽しくなりそうな期待が先行しそうですが(笑)、
相続関連では宛先違いが判明しての失注もよくあります。

相続関連では、遺産分割の結果として、

  • 不動産の登記
  • 相続税の申告

といった定番の手続きがあります。

お問い合わせの内容を確認してみると、相続税申告が不要であり、
登記のみが必要と判明することがあります。

楽しくなりそうな期待は税理士の手の届かないところとなります(笑)。

相続と士業 弁護士、司法書士、税理士?

相続は人生の中でも数少ない手続きで慣れる機会がありません。

加えて、民法や相続税法などの法律が関連する厄介さがあります。

法律が関連するので「士業(しぎょう)」によるサポートは有効ですが、
相続では複数の士業がかかわる可能性があり、選択に迷います。

相続に関連する士業は、弁護士・司法書士・税理士が主です。

■弁護士

  • 「争族」の解決が必要な際に頼るべき存在

■司法書士

  • 不動産の「登記」の専門家
  • 相続税申告が不要で分割協議が円満であれば依頼する

■税理士

  • 税務相談と申告の専門家

では、どの士業を選択したらよいか?という問題があります。

相続開始後のとりかかりの段階でわかることもあります。

  • 「争族」が明らか → 弁護士
  • 争族なしで相続税申告の必要性の判断 → 税理士 → 司法書士
  • 争族も相続税申告もなしで登記のみ必要 → 司法書士

ただし、ストレートな依頼ばかりとは言えません。

司法書士に登記を依頼したところ、相続税申告の必要性が判明
ということもあります。

  • 司法書士 → 税理士 → 司法書士

あるいは、税理士に依頼後に財産評価→分割協議の過程で争族となり、
弁護士に協力を依頼する可能性もあります。

  • 税理士 → 弁護士 → 税理士

相続と士業 準備は共通!

慣れるはずのない相続手続きを長引かせたくはありません。

一足飛びに相続手続きが完了するわけではありませんが、
必要な書類の準備を早めに進めることは有効な対策です

いずれの士業に依頼する場合でも、下記の書類は共通して
準備する必要があります。

  • 被相続人の関連する資料
    • 死亡診断書または死亡届の写し

    • 住民票の除票

    • 戸籍謄本(出生から死亡までの連続したもの)

  • 相続人の関連する資料
    • 各相続人の 戸籍謄本

    • 各相続人の 住民票

    • 各相続人の 印鑑登録証明書

  • 財産に関連する資料
    • 不動産関連

      • 登記事項証明書(登記簿謄本)

      • 固定資産税の納税通知書・評価証明書、名寄帳

    • 預貯金関連

      • 銀行の通帳、残高証明書

    • 有価証券関連

      • 株式・投資信託の取引明細

    • その他の財産

      • 生命保険の証券 etc

  • 債務・負債に関連する書類
  • その他
    • 遺言書 etc

相続手続きには民法や相続税法などの法律が関連するため、
弁護士・司法書士・税理士が関与する可能性があります。

士業のサポートを活かして円滑に相続手続きを進めることがおすすめです。

■追記

相続税申告は相続開始から10か月が申告期限という制約があります。

 

蛇足
アイキャッチ画像は「アキノノゲシ」です。
見た目から想像がつくようにキク科の一年草です。
意外なことにアキノノゲシ属にはレタスもあるそうです。

<ご案内>

■林友範税理士事務所

ご依頼はこちら

■災害と税金の情報

災害と税金