祭祀財産は非課税だから検討不要か?
合葬墓がお墓の主流になってきた!?

8月はお盆、9月はお彼岸とお墓と向き合う機会が続きます。

お墓=祭祀(さいし)財産なので相続税の心配はないものの、
お墓の存在自体を見直す可能性もありそうです。

お墓のカタチ 控除と非課税

相続税は申告・納税の負担だけでなく、開始時点から気が重い
といった特徴のある税目です。

相続開始から10か月と短くない申告期限があるとはいえ、
財産分割の検討を相続人が担うことになります。

他方、基礎控除や配偶者の税額軽減措置も多くあるので、
税負担を抑えられる可能性もあります。

たとえば、葬儀費用。

葬式に要した費用を相続財産から控除(控除、マイナス)できます。

あるいは、非課税としての「祭祀(さいし)財産」。

そもそも相続税の対象となる財産の対象外となります。

お墓や仏壇が対象となります。

生前に準備しておくことで相続人の負担を減らすことになり、
検討の対象となります。

とはいえ、お墓のカタチにも変化がありそうです。

お墓のカタチ 合葬墓が主流になった!?

お墓のカタチは直方体の石柱が起立しているデザインが目立ちますが、
必ずしもそうした一般的なカタチだけとはいえません。

石川県野々市市(ののいちし、金沢市南部)に公営墓地が造成されました。
 (墓地の内見会に行ってきました!)

2025年(令和7年)5月末の応募が、

  • 合葬墓が一般墓を上回り主流
    • 合葬墓‐樹木葬・施設型

という状況になっています。

一般墓はいわゆる個別・石材の仕様のお墓となりますが、
コンパクトな芝生型や壁型が大勢を占めています。

野々市市は自治体の合併ではなく、人口の増加で市政に移行した地域です。

移住者が多く、年齢層が比較的若い地域ではあるものの、
お墓のカタチを見直す一例になりそうです。

お墓のカタチ 終活と相続対策

「終活」では「エンディングノート」や「遺言書」の作成が
相続対策として定番です。

他方、相続開始後の「祭祀」も検討に加える対象になります。

自分の好みに沿ったデザインのお墓を用意しておく
といった準備も生前の備えとなります。

一方、祭祀者を含めた相続人の相続以降を想定した
お墓のカタチを検討する可能性もあります

相続税と無関係ではありませんが、祭祀財産やお墓のカタチも
相続対策として見直す対象になります。

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蛇足
野々市市の公営墓地に確認に行ってみると、
個性的な墓石は少ない印象でした。
一方、芝生型・壁型といったシンプルなお墓では、
感謝のことばや「♬」などの記号がみられました。
何らかのカタチで意向は反映できそうですね。

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