費用配分と評価損の違いを混同する理由とは?
ザックリでも適切に理解する!

ザックリ理解する割り切り方はおすすめです。

誰もが専門家になる必要はありません。

とはいえ、適切なアプローチは欠かせませんね。

費用と損失 類似や共通から理解◯

仕組みや考え方を本質から理解すべきというアプローチは
適切であり、応用が利きます。

専門家として従事する対象では本質に迫る理解が期待されます。

他方、専門家ではないものの、ザックリ知っておきたい場合、
たとえ話や類似性・共通性からの理解がおすすめです。

たとえば、遺伝子・DNA・染色体・ゲノムの違い。

  • 遺伝子‐本の中の文章
  • DNA‐文字が印刷された紙
  • 染色体‐紙でできた本
  • ゲノム‐本棚にある本のセット

上記のようなザックリしたアプローチでは仕事では使えないものの、
誤解や混同による間違いは防げます。

会計での「費用配分」と「評価損」の混同の回避にも当てはまります。

費用と損失 相違の確認をしない✗

「費用」も「損失」も損益計算ではマイナスで共通しています。

費用や損失が拡大すれば利益が減少して所得の減少となり、
法人税や事業所得税も減少となります。

費用や損失と資産との関連から類似性をみることもできます。

たとえば、固定資産の「減価償却」と棚卸資産の「評価損」。

どちらも損益計算のマイナス要素で資産と関連します。

一方、両者にははっきりした相違点もあります。

「減価償却」は「固定資産」の「費用配分」によるマイナス要素です。

建物や機械設備などの固定資産は、

  • 取得価格を取得したときに一挙に費用計上せず、
  • 耐用期間に渡って費用として配分する

といった「減価償却」が想定されています。

「棚卸資産」は流動資産であり、

  • 基本的には収益との対応関係により費用計上するが、
  • 需要の低下や品質の劣化や破損・損傷による評価損もあり、

想定外のマイナス要素が加わることもある。

販売目的の棚卸資産の販売が好調なことでの売上原価計上と
劣化や破損での評価減は異なります。

費用と損失 損益も貸借も!

費用と損失の違いの確認は似ているようでも違います。

関連している資産も異なれば、計上する機会も異なります。

損益計算だけではとらえられず、貸借対照表とのつながりも
理解には必要となります。

類似や共通からアプローチしてザックリ理解しても
相違点を見逃すと残念な誤解になるので注意が必要です。

知識や理解としては日商簿記3級レベルの内容ですが、
ザックリでも適切なアプローチでの理解がおすすめです。

 

蛇足
2025年(令和7年)5月は依然として米の高騰が続いています。
近所の田んぼでは田植えが続き、植えられた苗も成長しています。
米の価格も稲の生育にも注目が集まる時期が続きそうです。

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