うっかり青色申告を選択しました!?
きっかけはともかくしっかり特典を利用する!
「創業」や「開業」には力が入ります。
他方、手続きとなると初めてのことばかりが続いて、
いつの間にかなしくずし的に決めていることもあります。
きっかけはともかく、有利な状況を活かすことがおすすめです。

しっかりいただいた大学芋
うっかり青色 途方に暮れる確定申告?
確定申告には定番の相談ごとがあります。
- 給料以外の収入だけが確定申告の対象ですか?
- 回答:すべての所得が確定申告の対象です
- 家族の医療費も控除できますか?
- 回答:同じサイフで生活していれば可能です
- 申告期限までに還付の申告間に合いますか?
- 回答:還付は5年間可能です。慌てずに。 etc
事業所得では経費・生活費・控除といった区別も定番の問題ですが、
- 青色申告を選択したんですが、どうすればいいですか?
といった困り事も相談事例として目立ちます。
開業直後に税務署に開業届を出しに行った際に勧められて、
青色申告を選択した方が多いようです。
青色申告を申請しても白色申告での提出は可能ですが、
青色申告のメリット・特典の確認が見逃せません。
うっかり青色 青色申告のメリットとは?
青色申告の特典・メリットは白色申告との対比ではっきりします。
白色申告にはない青色申告のメリットは以下のとおりです。
1. 最大65万円の青色申告特別控除
- 最大65万円の所得控除(要電子申告)
- 簡易帳簿の場合でも10万円の控除
- 白色申告にはこの控除はありません
2. 赤字を3年間繰り越せる
- 事業で赤字が出た場合、翌年以降の黒字と相殺できます
- 白色申告では赤字の繰り越しができません
3. 家族への給与を全額経費にできる
- 青色事業専従者給与として、適正な金額であれば経費にできます
- 白色申告では、配偶者86万円、その他の親族50万円が上限
4. 30万円未満の資産を一括経費計上できる(少額減価償却資産)
- 白色申告では適用されません
ザックリいえば、青色申告では白色申告より所得税の負担が
抑えられる仕組みを利用できます。
きっかけはともかく、選択したからには活かしたいメリットです。
うっかり青色 なしくずしでもしっかり活かす!
青色申告はその名の通りバラ色ではありません(笑)。
特典には制約もあります。
1. 複式簿記が必要(65万円控除の場合)
- 帳簿の作成が複雑で、貸借対照表と損益計算書の作成が必要
- 白色申告は簡易帳簿で済む
2. 事前に承認が必要
- 開業後 2か月以内 に「青色申告承認申請書」を税務署に提出が必要
- 既存の白色申告者は適用を受けたい年の3月15日までに提出
3. 65万円控除には電子申告が必須
- 紙の申告の場合、控除額は55万円が限度
4.期限内に申告しないと65万円控除が受けられない
- 期限後は10万円控除で頭打ち
会計ソフトを適切に使うことで会計処理の負担を下げることができます。
ただし、「適切に使う」が見逃せません。
領収書やレシート、通帳の記録を入力さえすればいいわけではありません。
また、消費税の課税事業者となった場合であれば、会計処理と並行して
消費税の処理を行うことになります。
こちらも会計ソフトの適切な設定や運用が必要となります。
うっかりでもなしくずしでも青色申告を選択すればメリットがあります。
しっかり特典を活かすフォローが必要になるだけです。
確定申告期ではなく、事業開始や期首段階から会計処理を進めるために
税理士のサポートを検討することがおすすめとなります。
蛇足
アイキャッチ画像は実家でいただいた大学芋です。
さつまいもは冬を越して春になると糖度が増すそうですが、
糖蜜ががっつりで秋との違いがわかりませんでした(笑)。
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