手際の良い決算・申告の準備だけでOKか?
資料やデータのつながりもお忘れなく!

期待や予定以上に仕事が進むと気が軽くなります。

期限のある決算・税務申告の処理ではスピードが大切です。

一方、ちょっとした一言で急ブレーキがかかることもあります。

つなげて理解!

手際が良い やきもき無き決算・申告?

個人事業での確定申告に限らず法人の決算・申告の処理でも
必要な資料やデータ無しには先に進めません。

あらかじめ必要な書類と期限を伝えていたにも関わらず
書類が揃っていないとやきもきさせられます。

決算・申告は必要なデータを入力したら即完了とはいえません。

処理が一旦完了した後、時間をおいて再度確認が安全策です。

期限ギリギリでの資料の欠如は仕事の出来を左右します。

他方、こちらが要求するまでもなく資料を準備される方もいらっしゃいます。

ホッとしつつ、残すは決算・申告の処理のみとなるはずです。

はずなのですが…、予想外の一言で様相が一変します。

手際が良い その一言で急ブレーキ!?

売上原価と売上総利益(粗利益)の確定に必須の資料といえば
「期末棚卸高」です。

売上原価の構成を確認します。

  • 売上原価=期首棚卸高+当期仕入-期末棚卸高

過去に仕入れたが未販売の在庫は売上原価からマイナスします。

期末棚卸高は翌年の期首棚卸高となるわけです。

  • 当期の期末棚卸高=翌年の期首棚卸高

模擬店とは異なり、継続する事業を前提として業績を計算するため、
棚卸高を確認して売上原価を確定するわけです。

仕組みは難解ではありません。

棚卸高は決算日時点での在庫の数量✕単価で構成されます。

決算のために棚卸の一覧を用意していただけば処理が進められます。

他方、棚卸の一覧をやりとりする段階で、

  • 期末棚卸の増減は利益にどう関係するの?

と事業者や経理担当者に問われるとこちらが慌てます(笑)。

「棚卸高の一覧をご用意ください」という点で間違いはないものの、
資料の準備の次の段階につながっていない大きな問題があります。

手際が良い 準備も理解も!

棚卸高・売上原価の確定することは売上高を対応させることで
売上総利益(粗利益)が確定します。

棚卸高・売上原価・売上総利益は連動しているともいえます。

売上総利益からは売上原価以外の費用をマイナスすることで
当期の利益が算出されます。

  • 売上-売上原価=売上総利益
  • 売上総利益-その他の費用=利益

利益は個人でも法人でも所得となり、所得税・法人税が算出されます。

  • 利益≒所得
  • 所得✕税率=所得税 or 法人税

決算・税務申告の処理で多数の資料やデータを必要とする理由は、
費用でも所得控除でも税負担を決めることと関連しています

資料やデータには会計・税務申告となんらかのつながりがあります。

資料やデータは決算・申告の確認をする際の判断の根拠にもなります。

期限や必要に応じた資料の手際の良い準備は必要なのですが、
つながりの理解も欠かせないといった再確認もお忘れなく

 

蛇足
毎年2月23日は天皇誕生日でもあり、「税理士記念日」でもあります。
税理士法の前身である税務代理士法が1942年(昭和17年)2月23日に
制定されたことに由来します。
1969年(昭和44年)に日本税理士会連合会が記念日として定めたそうです。

にちぜいくんとのツーショット

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