効率化は客観的な評価で先送りになる!?
時短・コスト削減と小規模組織の折り合い方
「効率化」や「客観」は説明抜きにポジティブな前提があります。
客観的に効果が示された効率化の評価は高くなります。
とはいえ、組織の規模が小さいと主観的な評価にも出番があります。
効率化と主観 〇百時間削減は無理!?
魅力はあるけど、素直に反応できない表現があります。
たとえば、「□▲の導入で〇百時間削減!」といった効率化。
作業や処理の内容がどうであれ、効率化の成果が大きい
といったことは伝わります。
業務に人手がかかれば人件費の負担軽減も期待できます。
効率化による時短やコスト削減は無視できません。
他方、個人事業や小規模な組織だと効率化の客観的な評価は
かえって先送りの材料になるかもしれません。
効率化と主観 現状の不満と維持
個人事業や小規模な組織でも業務上の処理は負担です。
たとえば、年末調整や法定調書の提出など。
12月や1月といった寒くて忙しない時期なので
負担を感じやすい対象です。
他方、作業や処理が少ない上に毎年のルーティンワーク
と割り切って例年通りこなしてしまいがちです。
2024年(令和6年)は「定額減税」のイレギュラーはあったものの、
法定調書や給与支払報告書といった提出に変化はありません。
税務署や市役所から送られて生きた書類で書面を作成して、
期限内に提出の従来どおりが優先になりがちです。
現状維持は判断や検討をショートカットできるので、
皮肉な意味で効率的です。
反面、現状に不満がないとは言えないはずです。
- 書面の紛失や破損、誤廃棄
- 書面の記入や手計算
- 書面保管のためのファイリング
- 書面の提出や郵送
上記にはそれぞれ時間やコストの負担はありますが、
客観的に数値化するとわずか・微小かもしれません。
客観的な評価でかえって効率化の効果の小ささが目立つと、
現状の不満までわずかと誤解されそうです。
主観的な評価に切り替えた方が良さそうです。
効率化と主観 楽になったなぁ
仕事でも生活でもやり方やツールを変えて効率化した
ということは多々あります。
たとえば、メールの利用。
連絡だけでなく、データの共有やオンライン会議にも
つながっています。
あるいは、会計ソフトの利用。
入力が即集計・転記へとつながり効率化できます。
単発の処理だけを客観的に計測しても効果はパッとしませんが、
長期では効率化の大きさが主観的にも客観的にもわかります。
楽になったなぁ、という主観的な実感は馬鹿にできません。
当事者の実感は強力なモチベーションになります。
蛇足
アイキャッチ画像は福笑いの絵柄のせんべい(「柴舟小出」金沢市)です。
2025年(令和7年)小正月の石川県は平野部では積雪がありません。
除雪や交通の不安がないので福笑いほどではありませんが、
ちょっと余裕が感じられます。
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