償却資産税はなぜわかりにくいのか?
独立した税目として理解する!
そもそもわかりやすい税金はない!、とも言えますが(笑)、
後々不安を残さない備えは必要です。
わかりにくさを知っておくと注意が働きます。
償却資産と税 わかりやすい税金はない?
「税金」の二文字から好印象は受けません。
- 複雑な仕組み
- 融通の利かない申告期限
- 早期割引、ポイント還元無し(笑)
事業での「売上」といっても、所得税や法人税では収入や益金経由で
利益どころか「所得」にまで変わります。
消費税については、本則課税・簡易課税・2割特例と選択肢…。
申告・納税方式の税目ゆえのわかりにくさとも言えますが、
課税方式が違っても税金のわかりにくさは変わりません。
たとえば、「償却資産税」。
字面からは減価償却と関連しそうな印象です。
間違いではありませんが、類推だけでは対応できない
わかりにくさがあります。
償却資産と税 どうしてわかりにくいのか?
償却資産税の特徴を挙げてみます。
- 事業で使う固定資産にかかる税金(以下は除く)
- 土地・家屋は固定資産税
- 車・バイクは自動車税
- 個人事業も法人も対象
- 暦年で課税
- 1月1日に所有している資産が対象
- 申告期限は毎年1月末
- 国税ではなく地方税
- 自治体ごとに申告が必要
- 納税者が申告するが、納税額は役場で算出
- 一括で納税も可能だが、基本は分割で納税
- 免税点がある
- 課税標準額が150万円未満であれば税負担無し
- ただし、申告は必要
- 所得税・法人是の減価償却のカテゴリーとは別物
- 耐用年数が経過した償却済み資産も申告対象
- 取得価格が少額の資産の取り扱いが分かれる
- 3年一括償却資産(20万円未満)‐償却資産税対象外
- 少額減価償却資産の特例(30万円未満)‐償却資産税対象
「固定資産」や「償却資産」だけでザックリ割り切って処理できません。
申告先も事業の状況によっては複数の自治体となる可能性があります。
償却資産税は地味な印象の税目ですが、独立して理解しておく必要があります。
償却資産と税 わかりにくくても準備!
残念ながら償却資産税もわかりにくい税金の一つです。
複雑な仕組みに申告期限もある一方、割引もポイント還元もありません(笑)。
申告期限が1月末という点にも留意が必要です。
毎年1月には法定調書や給与支払報告書の提出期限もあれば、
その後に個人の確定申告、法人の3月決算が続きます。
通常の経理処理だけでなく、償却資産税の申告を想定した準備がおすすめとなります。
申告は地方税なので「eLTAX(エルタックス)」の利用となります。
蛇足
アイキャッチ画像は親戚からいただいた自家製のキムチです。
辛そうだなぁと思いながら食べたところ、想定通りでした(笑)。
夏にも相性の良いキムチですが、冬の寒さにも合いますね。
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