退職金は法人も個人も長期目線で準備!
うらやましいだけで終わらせない!
「うらやましい」というより「けなるい」と口に出すと
実感がわきます。
退職金は金額が大きく、ゲットできる機会が少ないだけでなく、
税金でも優遇されています。
けなるくなっているだけでは済みませんね。
長期目線 隣の芝生談義
同業他社は経営者にとって気になる存在です。
税理士業でお客様と面談すると、同業他社の動向も話題になります。
経営者であれば、同業他社の社長のおサイフ事情も気になります(笑)。
たとえば、退職金。
毎月の役員給与とは異なり金額は大きく、ゲットの機会は少なく、
一方で、税制では優遇されています。
ガッツリ退職金を受け取った経営者の話は記憶に残ります
「隣の芝生は青く見える」ではとどまらず、ウチの芝生は?
となります(笑)。
長期目線 優遇とリスク
退職金は「退職所得」として所得税で区分されています。
累進課税の対象ではあるものの、税負担を軽減する仕組みがあります。
- (退職金-退職所得控除額)✕1/2=課税退職所得
- 課税退職所得✕税率=所得税額
退職金から「退職所得控除額」を差し引きして、さらに1/2した後で税額を計算します。
会社の経営者、役員であればしっかり退職金を受け取りつつ、税負担も抑えたくなります。
他方で、退職金への税負担軽減には制約もあります。
オーナー経営者であってもお手盛りではなく、「功績倍率法」での金額設定が
無視できません。
- 役員退職金=最終報酬月額✕勤務年数✕功績倍率
最終報酬月額が経営の実態に見合わない場合や退職直前の増額などは
税務否認のリスクとなります。
また、形式的だけでなく実質的にも経営から距離を置く必要もあります。
安直で場当たり的な退職金には、受け取った役員だけでなく、
支給した法人にとっても後々リスクとなります。
長期目線 法人でも個人でも
退職金と税制を組み合わせることでのメリットはありますが、
付け焼き刃はおすすめできません。
法人であれば、支給以前打でなく支給以降の備えも必要です。
個人事業主には法人の役員への退職金の取り扱いとは異なりますが、
「小規模企業共済」が利用できます。
掛金を毎年の所得控除とできる点も魅力です。
ただし、こちらも長期での資産形成といった面があります。
隣の芝生の色はともかく(笑)、ウチの芝生の色に集中して
退職金対策には中長期での準備がおすすめとなります。
蛇足
アイキャッチ画像はいただきものの柿です。
フィルムのような薄皮に覆われて、包丁で切れないやわらかさです。
皮はそうっと指でつまんで剥がします。
皮付きだと傷んだようにしか見えない柿だったりします。
<ご案内>
■林友範税理士事務所
■災害と税金の情報
■確定申告のご依頼も受付中!