決算書は数字だけの入力で完成できるか?
入力フォームから確認項目を逆算する
来年やるべきことを過去の内容から今年のうちに確認
しておくことが税務申告ではおすすめです。
あらかじめわかっていれば、慌てることはない処理でも、
土壇場になると手がつけられなくなります。
フォームで逆算 数字だけ拾う?
税理士という職業柄、使っている特有の表現があります。
税務会計業では「数字を拾う」という表現もその一つです。
シンプルですが、やけに抽象的な表現です。
領収書やレシート、請求書などの金額に集中して入力する
といった際に使われます。
実際には金額だけでは帳簿作成にはデータ不足なので、
- 日付
- 取引先
- 勘定科目
- 取引内容
- 消費税区分
といったデータも仕訳には反映させます。
「数字を拾う」は入力の的を絞る象徴的な表現です。
会計ソフトに入力したデータは自動的に集計・転記されます。
うっかりすると、決算書も自動的に作成できそうな印象があります。
フォームで逆算 クリックしてみると…
帳簿作成の過程でできる「残高試算表」は金額の集計・転記だけで
会計ソフトが作成します。
他方で、決算書は…!?
個人事業での決算書は青色申告であっても簡潔です。
とはいえ、決算書が数字だけで構成されているという見方は誤解です。
決算書や「確定申告書等作成コーナー」の確認をしてみると、
記載事項が確認できます。
「作成コーナー」は入力フォームが準備されています。
過年度を対象とした入力フォームであっても参考になります。
売上金額は総額の計上額が重要ですが、取引先も入力対象です。
仕入についても売上と同様の処理が求められています。
経費はひたすら集計の処理を連想しがちな対象ですが、
減価償却費や給料では内訳の入力もあります。
賃金台帳との整合性も要確認となります。
申告期限ギリギリになって慌てて対応しようとしても、
肝心の数字(金額)で手一杯かもしれません。
作成コーナーの入力フォームを事前に確認しておくと、
処理を逆算して予定が立てられます。
フォームで逆算 説明不要の決算書へ
所得税・法人税・消費税・相続税は納税者が税務署に
申告・納税する税金です。
自動車税や固定資産税などの賦課税とは異なり、
納税者の選択や判断が反映できる税目ともいえます。
同時に、申告税は一方通行ではありません。
申告した税金には税務署からのチェックがあります。
お問い合わせにしろ調査にしろ、お迎えしたい対象
とは言えません(笑)。
決算書は裏付けのある金額、数字がデータとして重要ですが、
事業内容を説明できる関連データも無視できません。
税務会計処理は金額を中心とした数字に関心が集まりますが、
決算書の作成まで含めたデータの収集・確認がおすすめです。
蛇足
アイキャッチ画像は公園で見かけたどんぐりです。
紅葉のような色彩の豊かさはありませんが、
秋らしさを感じる光景です。
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