消費税のみ依頼はアリか?、お得か?
申告期限3月31日に違和感がありますか?
サービスを細分化すると新たな需要が見出だせる
かもしれません。
とはいえ、これまで細分化が目立たなかった事情は
確認しておくことがおすすめです。
消費税のみ 違和感のある締め切り
毎年3月上旬は確定申告の佳境の時期です。
申告をしない方でも「3月15日」が申告・納税期限である
ということはご存知かもしれません。
とはいえ、「3月15日」の締め切りは「所得税」と「贈与税」
という2つの税目が対象です。
所得税についで納税者の多い「消費税」の締め切りは「3月31日」です。
(令和5年度分は2024年(令和6年)4月1日です)
税目が異なるから締め切りが違うと言えばそれまでですが、
違和感のある取り扱いです。
消費税のみ 処理の過程と効率化の関係
税務会計処理と一口では言うものの、形式上は会計→税務処理
といった順に処理します。
事業所得での所得税であれば、
- 会計:帳簿作成→決算処理 ⇒ 税務:申告書作成
といった流れでの処理となります。
消費税の処理は税目ごとに異なる申告書の作成を別にすると、
会計処理では並行して扱います。
会計ソフトに取引や処理の「仕訳」を入力する際に
消費税の設定に基づいたデータも追加します。
帳簿作成・決算処理が済むことで、消費税の申告につながる
という効率的な処理となります。
サラッと事業に関連した税務処理の現状を確認すると、
- 消費税のみの申告書作成の依頼はアリか?、お得か?
という疑問や違和感にたどり着きます。
消費税のみ アリか、お得か?
消費税のみの申告書作成の依頼をする背景には、
- 帳簿を手書きで作成している
- 消費税の仕組みや申告書作成の知識に乏しい
といった事情があるようです。
「本則課税」での申告であれば取引ごとの課税区分を確認、
集計しなければ申告書の作成はできません。
帳簿や決算書の作成との並行ではなく、分離して処理するわけで
工数は増加します。
「簡易課税」は「課税売上高」の集計に着目しますが、
固定資産の売却などの売上以外の取引も対象です。
(個人で車の売却したときの所得税と消費税とは?)
消費税の申告書作成だけに着目した処理は可能です。
税理士が依頼を受けるかは別にして、依頼はアリです。
とはいえ、消費税の申告書だけの依頼には残念な面があります。
- 税額確定が所得税よりも遅れる
- 納税額の予測や資金準備ができない
- 本則・簡易課税の選択に失敗する
- 所得税申告の不備が事後的に判明する
個人事業主の消費税の申告・納付期限は「3月31日」です。
消費税制度が開始された1989年(平成元年)であれば合理的だった
かもしれません。
会計ソフトを使っての経理処理が一般的な現状では、
- 消費税のみの申告書作成の依頼はアリだが、
- お得とは言い難い
ということになります。
個人事業主で確定申告をする場合には、
- 所得税も消費税も3月15日までに申告!
となる税務会計の処理がおすすめです。
蛇足
3月上旬は「三寒四温」を実感する日が続きます。
日照時間が長くなり気温も上昇して雪は早々に融けますが、
雪が降ると寒さが堪えますね。
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