税理士と「指導」はマッチングするか? 期待と役割の折り合い方
どんなことばを使っているか、違和感を感じるかも
判断の分かれ目になります。
税理士と指導 違和感のあることば
ことば遣いに違和感を覚えることがあります。
たとえば、「指導」。
学生時代にまでなら日常的に聞くことばです。
知識や考え方の不足を補う立場なので、
「指導」されることが常態化しているからです。
教師や先生といった指導する側と指導される側との
上下関係といった立ち位置の違いもあります。
「指導」ということばの遣い方で違和感を覚えるようになったのは、
大人、それも税務会計業界に入ってからです。
税理士と税務当局(税務署)は税務調査の対立の図式を連想しがちですが、
税制改正などでは情報交換も盛んです。
新制度の導入に際しては当局より、
- 税理士の皆様方からの納税に際してのご指導云々(うんぬん)
といった場面がよくあります。
円滑な税務行政を期待する当局の税理士に対する期待があります。
税理士と指導 妥当なことば
税務当局が税理士に期待する「指導」には円滑な行政運営という
公利公欲(?)といった願望がみえます。
正直でわかりやすい(笑)。
納税の義務や適正な納税といったことをあからさまに否定する
という方はいません。
同じことは税理士にも当てはまります、
とはいえ、税理士は行政運営の代行者ではありません。
適正適法と折り合いのつく、有利な選択を示したり、
将来の不利益を先回りしてお伝えする役割があります。
税理士から依頼者へに向かう流れでは「伝える」が
妥当なことばの選択だと考えています。
税理士と指導 選択権をお大事に
税理士と依頼者の間で「伝える」といった関係が重要な理由は、
- 税理士も依頼者も合理的な判断ができる
- 依頼者は有利な判断ができる
- 契約や依頼は双方の合意で成立する
といった前提があるからです。
言い換えると、税理士と依頼者の関係は、
- 割り当てではない
- 義務的ではない(ケツ持ち不要)
- 片務的ではない
といった見方ができます。
「指導」が上下関係を連想させることばとすると、
「伝える」は水平関係とイメージできます。
相性・フィーリング・マッチングとことばは変わっても、
誰に業務を依頼するかといった選択する局面はあります。
情報があふれている時代だからこそ、
違和感のない(少ない)機会が選択できます。
蛇足
「ご指導ご鞭撻」といったことばは好きではありません。
とはいえ、英語での表現では以下の通り。
- guidance:導き
- encouragement:はげまし
言い換えも大切かもしれません。
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