納税者の味方のはずの税理士が当局に寝返る!? 国税不服審判所の職員募集

公然と公開されているマイナーな募集要項のお話です。

税理士寝返る!? キャリアアップとは?

税理士の資格をとった後、漠然と不安に感じたことは
キャリアアップでした。

税理士の資格をとったといっても、登録するためには
2年間の税務業務への従事が必要です。

税理士登録を目標にしたキャリアアップは明白で、
ともかく税理士事務所に就職することになります。

漠然とした不安を感じるのは、

  • 登録後のキャリアアップとは?

という問題です。

地方で税理士として活動する場合、

  • 独立開業
  • 税理士事務所・税理士法人に所属

とシンプルな選択が目立ちます。

そんなもんだろ?、という印象が一般的かもしれません。

とはいえ、別の選択肢もあります。

国税不服審判所の「国税審判官」です。

税理士寝返る!? 国税不服審判所の職員募集

国税庁は好き嫌いを別にして(笑)、メジャーな存在です。

通常はご縁の無いマルサもよく知られています。
(おつきあいの無いマルサの報告を読む理由とは?)

それに対して、国税不服審判所はマイナーな存在です。

しかし、納税者の救済という面では重要な役割を担っています。

組織図でも税務署との違いを際立たせています。

ウェブサイトでも国税不服審判所と国税庁は別物です。

ポジティブな意味での縦割り行政といえそうです。

しかし、所詮は当局側のスタッフで構成されているんじゃない?
というツッコミがありそうです。

そうしたツッコミに応える対応に「国税審判官」の募集があります。

課税当局側ではない、民間側の税理士に応募資格があります。

募集は毎年6月に告知され、書類選考と面接を経て採用されます。

十数名が採用され、任期は2~3年です。

税理士寝返る!? 納税者の救済へ貢献

「令和3年度における審査請求の概要」が公表されました。

課税当局の処分に対する不服の申し立ては2,458件でした。

審査請求の結果状況は以下の通りです。

納税者側にとってプラスとなる「認容」は297件(13%)でした。

「取下げ」・「却下」・「棄却」の件数や割合に圧倒されますが、
それでも納税者側にプラスの成果がでている事実もあります。

登録後の税理士のキャリアアップとしても、納税者への貢献としても
国税不服審判所や国税審判官はもっと注目すべき存在です。
(参考:税務調査は紛争の入り口です 不服申立制度とその結果)

 

蛇足
税理士に登録して開業するとキャリアアップというより
経営に関心が集中します。
登録以前に国税審判官といった選択を知っておくと
選択の幅が広がりそうです。

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