経常損益と特別損益の違いとは?
利益の違いを説明できますか?
経営は結果がすべて!という割り切り方はあります。
他方、経営の結果の原因がシンプル・唯一とは限りません。
経営者の目線以外でのとらえ方も必要になります。

春らしいヒメリュウキンカ
利益の違い 結局同じの結局とは?
いろいろな違いがあるとはいえ、結局は同じ結果になる
といったことがあります。
事業での「利益」に当てはまりそうです。
個人の事業でも法人の経営でも利益に対して課税されるので、
利益の区分はかえって無駄に思えるかもしれません。
経営が安定していて、過年度と隔たりがない状況では、
経営者にとって利益の区分は形式的にみえそうです。
他方、安定が崩れるような状況や外部の目線からは
利益の区分が見逃せない対象となります。
利益の違い 平時と特別な事情を反映させる!
事業での収入と利益を対比させるとシンプルに表現できます。
- 収入-経費=利益
事業での所得税や法人税の計算だけであれば、上記の式で済みます。
他方、経営の実態を解像度を上げて表現しようとすると、
利益を区分する必要に迫られます。
本業の売上と対応する経費は仕入や製造原価での売上原価です。
- 売上-売上原価=売上総利益
売上総利益は売上に最も密接な利益とも言えます。
売上に対して売上原価に次いで対応する販売費及び一般管理費があります。
- 売上総利益-販管費=営業利益
売上・売上原価・販管費は営業活動でつながっています。
営業利益と混同されやすい、わかりにくい利益が「経常利益」です。
- 営業利益±営業外損益=経常利益
事業活動には本来の営業活動ではないもののつながりのある取引もあります。
たとえば、受取利息や支払利息。
本来の営業活動での損益ではないとはいえ、イレギュラーではありません。
「経常」を平時・通常の経営と読み替えると経常利益はわかりやすくなります。
これに対して、イレギュラーな損益もありえます。
たとえば、債務免除益や自然災害による損失。
通常では発生しないということを強調する「特別損益」となります。
- 経常利益±特別損益=税引前当期純利益
利益の違い 経営者以外の目線も!
経営者の目線だけで経営成績を確認するのであれば、
利益の区分は置き去りかもしれません。
他方、第三者の目線が加わる場合には事情が変わります。
たとえば、金融機関への融資申し込み。
最終的には赤字でも、災害による特別損失による結果と、
経常的な赤字では経営の実態は異なります。
経営の損益は集計などの計算処理の面が強調されがちですが、
損益計算書の表示も含めての処理が無視できません。
イレギュラーな事態は想定外・予想外がつきものです。
過年度との比較も可能な損益計算書を準備しておくことは
平時の経営のときからこそおすすめです。
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蛇足
アイキャッチ画像はヒメリュウキンカです。
植えた覚えはないにもかかわらずしっかり咲いていました(笑)。
花も葉も鮮明な色なので、春らしさが印象に残ります。
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