建設的なシミュレーションは中学校で学んだ!?
ツールや環境以上に大切なことは?
世代の違いを感じることで良い刺激になることがあります。
利用しているツールの違い以上の変化を目の当たりにしました。
中学校参観 立ち位置を変えて参加
「授業参観」に楽しい思い出はありません。
加点より減点主義が目立っていると見張られている印象でした。
とはいえ、立ち位置が変わると印象は変わります。
先日、「租税教室」を担当されている税理士会支部の税理士より
中学校での授業参観への呼びかけがありました。
租税教室は通常、税理士が小中学校に赴き授業を行います。
基本的には講義スタイルの授業です。
新たな試みとして、政府の予算作成のシミュレーションを題材に
生徒参加型の教室が企画されました。
後学のため、参観する側で参加しました。
中学校参観 ツールの違いだけではなく
授業は講義→グループワーク→発表と質疑応答で進められました。
2025年(令和7年)の授業風景は以下のとおりです。
- 全員タブレットを使用
- 計算・検索・シミュレーション・プレゼン
- 必要な資料はウェブで検索・入手
- 成果はオンラインで共有
授業で扱われた資料もPDFファイルやExcelファイルです。
(「財務省 財政教育プログラム」で検索)
昭和や20世紀が遠くなったなぁという印象です(笑)。
タブレットなどツールの利用や環境の違いもありましたが、
感心したのは生徒のシミュレーションへの取り組み方でした。
グループは1チーム・4人、立場を「高齢」・「現役」・「将来」と
チームごとを異なる世代に分けて予算を編成しました。
予算のテーマを決めて、テーマに沿った歳入・歳出の増減と
その理由をシミュレートするといった流れです。
グループごとでシミュレーションの過程に違いはあったものの、
予算のテーマ・予算の編成・理由の説明を30分ほどで作成していました。
シミュレーションを作成後には発表と質疑応答が生徒間であり、
テーマ・編成・理由の整合性についてツッコミがありました。
中学校参観 実践できていますか?
授業で扱われた財政予算のシミュレーションはざっくりしており、
生徒は財政の専門家ではありません。
シミュレーションでタブレットやExcelを利用したとはいっても
高度なスキルを必要としたわけでもありません。
とはいえ、提出された成果に対して議論を深めていく端緒が見られました。
授業の設定が適切だった面はあります。
- 少数のグループごとで議論
- グループが担当する立場を高齢・現役・将来世代と限定
- タブレットやExcelファイルの利用
- 正解・不正解ではなく検討過程を重視
生徒の取り組み方が建設的だったことも重要です。
- 意見を提示する
- 必要な情報を調べる
- 計算やExcelファイルのシミュレーションで手を動かす
- 他のグループの検討を踏まえて意見を表明する
当たり前といえば当たり前のことばかりですが、
- では、あなたは実践できていますか?
とツッコまれると応えに詰まりそうです。
シミュレーション・検討の過程を見直してみることもおすすめです。
ツッコミ役は税理士がお引き受けできる面があります(笑)。
蛇足
アイキャッチ画像は授業のあった教室に飾られていたものです。
歌舞伎の「勧進帳」は石川県小松市とゆかりがあります。
これから難関と向き合う中学生にぴったりの作品ですね。
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