改善活動の見直しをしていますか?
問題はツールだけじゃない!?

「人の振り見て我が振り直せ」というフレーズは
できていないからこそ響くのかもしれません。

改善の見直し コロナ禍で露呈

2023年(令和5年)4月、コロナ感染の「第9波」が懸念されつつも、
GWを目前にして観光客の増加が見込まれています。

3年前の今頃は「緊急事態宣言」で騒然とした状態でした。

感染状況とは別にして、感染症と生活の折り合いでの
耐性がついてきた印象です。

コロナ禍当初、感染者の情報共有の業務フローに際して、
「FAX+手入力」が話題になりました。

いつの時代の業務フローなのか!?、といった驚きでした。

FAXといったアナログのツールが介在することで、
効率的な情報共有を阻害していたことが露呈しました。

コロナ禍では接触による感染拡大が懸念されたことで、

  • 業務のオンライン化
  • 処理のデジタル化

といった改善が強調されていきました。

税務申告でも同様です。

電子申告はコロナ禍以前よりも一段と強まっています。

税務申告の効率性が向上しているハズです。

「ハズ」です(笑)。

改善の見直し 電子申告と手入力

外部監査制度という仕組みがあります。

地方公共団体の業務を外部の弁護士や会計士、税理士が監査します。

たとえば、宇都宮市の令和4年度包括外部監査報告書。

固定資産への償却資産税の業務フローが示されていました。

償却資産税には「eLTAXエルタックス」での電子申告が可能です。

申告書を「送る納税者」側の視点では、

  • 電子申告=オンライン+デジタル → 効率化

といった前提があります。

しかし、外部監査報告書によると、「受ける市役所」側では、

  • 電子申告=紙に印刷のアナログ変換+書面での業務フロー
  • 電子申告も書面提出も市側で手入力

となっています。

???、!?

電子申告がかえって工数を増やす、非効率を助長している!?
といった感さえあります。

原因は現場ではなく、運用のシステムにあるようです。

上記の監査人による「意見」では宇都宮市だけの問題ではない
といった趣旨の指摘もありました。

改善の見直し 業務フローもツールも

業務処理の見直しとしてのオンライン化やデジタル化は
効率化を期待して導入します。

  • 工数の削減
  • ミスの削減
  • 人手不足の解消
  • ペーパーレス化によるコスト削減

電子申告による効率化であれば、

  • ウェブサイト
  • ウェブアプリ
  • 認証の仕組み
  • 通信環境

といったツールが整備されれば実現できそうです。

一方で、宇都宮市の外部監査報告書からは、

  • 既存のシステムとの連携
  • 書面提出フローとの併用

といった業務フローからの効率化へのアプローチが必要
といえます。

業務の改善や効率化では新しいツールの導入が注目されます。

反面、業務フローがこれまでと同じであると、
連携や移行で皮肉な結果になるかもしれません。

改善活動には事後の見直しが必要になります。

 

蛇足
事務手続きの書面とオンラインの併用は
いつまで続くんでしょうか?
いずれ課題となるんでしょうね。

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