専門外のことをやってみる理由

挑戦か、逃避かはともかくとして(笑)。

専門外のことをやってみる 縮小再生産にならないために

専門家やエキスパートといわれると、一定のアドバンテージを感じます。

専門的な知識や経験が活かせることで、他の方より優位に仕事を進められるのは魅力です。

しかし、専門的な立場もうっかりしていると、裸の王様状態になりかねません。

裸の王様状態とは 、知識や制度が更新されて、かつての専門性が陳腐化してしまっている状態の場合です。
あるいは、時代の変化で要求されているサービスの内容が変わっていることに気づかない場合もありえます。

専門家であるだけに、視点や視野が固定されていると、かえって変化に取り残される可能性もあります。

変化に気をつけるという心構えだけでは、実際の行動にはなかなか結びつかないものです。

あえて専門外のことに取り組んでみて行くことも、変化に気づくために大切です。

専門外のことをやってみる 最新や最先端でなくてもOK

税務会計サービスでは、現在ではパソコンやインターネットを利用するのが一般的です。
(そろばん・電卓と紙、えんぴつにとどまるなら、「根性」も必要です)

お客様とのデータのやりとりだけではなく、電子申告やインターネットバンキング、備品などの購入でもオンライン化が進んでいます。 

また近年では、一部の会計事務所でRPAの利用もなされています。

こうしてみると、税務会計業界のITの利用や理解は充足しているように思えます。

しかし実態は、特定のベンダー企業によるサービスを利用することが中心です。
個々の会計事務所や税理士がITに詳しいわけではありません。
(むしろ、詳しい方とそうでない方の格差の大きさは、他の業界と変わらないでしょう)

会計事務所の運営スタイルが、今後も安定しているかは不透明です。

2020年(令和2年)コロナ禍では、会計事務所で事実上のリモートワークが可能となりました。

これまで大組織での導入が目立っていたシンクライアントの活用も考えられます。 

大手のベンダーだけに頼らず、あえて税務会計から専門外のITの選択肢を自力で探ることも必要になってきています。

新しい選択肢という期待はあるものの、税理士にとっては専門外の分野です。

期待を高めてしまうと、つい最新の技術や設備に目がいってしまいます。

しかし、実験的に取り扱う場合には、そのスジでは少し枯れた技術の方が手をつけやすいかもしれません。
(朽ちた技術はダメです。そろばん・電卓・伝票・勘定科目印には戻れません)

技術やノウハウが蓄積されていて、信頼性の高い技術やサービスの利用を試します。

パソコン・タブレット・スマホの代替ハードとして、RaspberryPi、オンラインストレージでのDropboxやEvernote、Googleのサービスなど、比較的一般的ではあるけれど、税務会計業界ではマイナーな技術やサービスは多々あります。

専門外のことをやってみる 専門との距離感をはかっていく

縮小再生産や裸の王様といった状態を回避するために、専門外の視点をもっておきたいわけです。

ただし、専門外のことをやってみるのは、専門性を支えるためのサポーターという位置付けです。

有効性やコストパフォーマンスをはかる基準も、現在の専門性にあります。

 

蛇足
挑戦や試行には、心配・期待はずれ・挫折・お蔵入り・死蔵もつきものです。

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