月次決算のメリハリをつけていますか?
誰のため?、何が目的か?
メリハリをつけるという姿勢はポジティブな印象です。
では、具体的には何をどうするのか?とツッコミがあります。
「月次決算」にも当てはまるツッコミです。
決算メリハリ 二者択一ではない
「メリハリをつける」ということばには、
- 強弱をつける
- 緩急をつける
といった意味があります。
目的や優先順位が関わっているとも言えます。
ゼロかイチか、白か黒かといった二者択一とは異なります。
メリハリをつけることは、経営での「決算」に当てはまります。
税務申告がゴールとなる「年次決算」と毎月の「月次決算」では
決算といっても違いがあります。
目的や成果の違いを理解したうえで、メリハリをつけることになります。
決算メリハリ 年次と月次の違い
年次決算の目的は、
- 税務申告
- 金融機関への融資申し込み・報告
とどの事業者にも当てはまり、処理の精度は高くなります。
他方、月次決算の目的は、
- 毎月ごとの経営状況の確認
- 経営者の判断根拠の提供
- 課題の洗い出し
と経営当事者を優先にしており、処理はスピードが優先です。
預金残高は月次でもしっかり確認すべき対象ですが、
概算での計上も可能な勘定科目もあります。
たとえば、減価償却費の計上。
期首段階で計上している減価償却資産の年間償却額を
毎月定額分計上しておきます。
あるいは棚卸資産。
売上原価や売上総利益(粗利益)の把握に欠かせない対象ですが、
月次では概算での計上も選択肢です。
月次決算では月ごとの業績を把握して対策をとるために行います。
概算計上を理解しての処理がメリハリをつけることになります。
決算メリハリ 課題の洗い出しも月次から!
月次決算では課題の洗い出しも目的となります。
課題といっても損益計算だけが対象とは言えません。
運転資金や納税対策といった資金繰りも対象になってきます。
お金のやりとりでは法人の役員との貸付金・借入金も
課題になりえます。
年次決算で一挙に課題を解決する選択肢もありますが、
- 困難は分割せよ!
といった定石が月次決算からの対策がおすすめです。
月次決算といっても会計ソフトに限らず、チェックリストやExcelなど
各種のツールを利用して効率化も可能です。
経営状況に応じた月次決算の実行は年次決算の精度やスピード、
効率性の向上にもつながってきます。
帳簿の作成にとどまらない毎月の月次決算がおすすめです。
税理士のサポートで負擔を減らすこともできます。
蛇足
アイキャッチ画像は散歩中にみかけたビオラです。
ソメイヨシノが注目されがちな時期ですが、こちらも満開です。
日持ちするので長く楽しめますね。
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