税理士に依頼したら即手ぶらになるか?
依頼とセットのコミュニケーション
ややこしい手続きや処理は外部の専門家に依頼する
という選択は妥当です。
私は生まれも育ちも雪国の石川県ではありますが、
車のタイヤ交換は毎年整備工場へ依頼しています。
長年のおつき合いがあると依頼のやりとりもスムーズです。
他方、新たに依頼する場合は即手ぶらになれるのか?
自問する点があります。
依頼即手ぶら 負担や不安は重い
税務相談や税務申告の応対でお客様がホッとした表情をされると、
相談や依頼を受けた税理士として私も安堵します。
負担や不安は漠然としていて見えないとはいえ、
当事者にはずっしりとのしかかったいるわけです。
すぐに問題が解決できない場合でも、状況が把握できると
次の展開につなげることができます。
他方、依頼したにもかかわらず負担から完全に解放されない
といった不満が出ることもあります。
たとえば、確定申告の依頼。
面倒から解放されたくて税理士に依頼したにも関わらず、
即手ぶらにはならないかもしれません。
依頼即手ぶら 即処理にならない!?
個人事業であれ法人の事業経営であれ、一足飛びに申告書完成
とはいきません。
事業の税務申告であれば、帳簿の作成から始まり決算書の作成が
申告書作成の前段階となります。
帳簿の作成では売上や軽費の集計が連想されがちですが、
そういった処理ですら準備が必要です。
会計ソフトを使うことが会計処理の大前提なので、
- 消費税の課税事業者であるか?
- 本則課税・簡易課税・2割特例のうち何を選択しているか?
- 税抜経理か税込経理か?
といった消費税の設定状況も要確認対象です。
売上や軽費の関連資料といっても業種や取引状況ごとに異なります。
うっかりでもプライベートの支出が混在すれば排除の対象です。
不動産などの売却収入があれば、事業収入からの排除だけでなく、
譲渡所得の申告も課題となります。
雇用して、賃上げしていれば「賃上げ促進税制」も要確認です。
固定資産の購入や買い替え、処分があれば同じく要確認です。
個人事業でも法人経営であっても、税務会計の依頼即処理とはいきません。
会計処理を始めても追加の確認事項が出てくることもあります。
依頼即手ぶら コミュニケーションもセットで!
税理士に依頼したら即手ぶらになれるはずと想定していると、
あてが外れた印象をうけるかもしれません。
経営者といっても、必ずしも税務会計の全貌がわかっているとは限りません。
むしろ、税理士という第三者からの指摘で気づくこともあります。
事業は継続していくことが前提です。
税務会計サービスも本来は長期の経営と並走して提供していきます。
顧問契約で役割や対応がわかっていれば、手ぶらに感じられる状況はあります。
税務会計の負担や不安の解消に税理士への依頼はおすすめですが、
依頼後の税理士とのコミュニケーションは不可欠です。
手ぶらでの解放感には、依頼とコミュニケーションがセットで必要です。
蛇足
アイキャッチ画像はゆず茶です。
寒い冬にリラックスできる香りが魅力です。
ゆずの皮もしっかりいただきました(笑)。
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