月次決算は不要と割り切れるか?
途中経過からご利益を得られるか?

税務申告が義務なので前提となる「年次」決算は必要です。

では「月次」決算は必要か、不要なのか?というと…

月次決算の処理の進め方よりも目的の整理がおすすめです。

月次決算不要 義務がなければスルーか?

義務じゃないならやりたくないといったことは多々あります。

税金関連の処理では目立ちます。

税務申告との関連では「決算」処理も気が重い対象です。

通常業務に加えて決算処理を並行することになります。

3月決算の法人では3~5月が経理担当者にとって繁忙期となります。

とはいえ、「年次」決算は避けられません。

一方で、「月次」決算となると様相は異なります。

任意、選択次第でスルーもできます。

税理士目線では月次決算はおすすめですが、不可欠とも言えません。

経営者目線から月次決算の目的やご利益の整理が必要です。

月次決算不要 ご利益があるのか?

基本に立ち返ると、「決算」処理は、

  • 経営成績の確定 → 損益計算書
  • 財政状態の確定 → 貸借対照表

といった決算書で現れます。

経営成績も財政状態も事業の継続を裏付ける重要な情報です。

税務申告だけでなく、融資を受ける際にも必要となります。

煩雑で面倒とは言っても必要な処理だとわかります。

他方、「月次」決算となると任意です。

年次決算とは異なり金額を最終的に確定するわけではないものの
処理や確認対象は決算処理と重なります。

  • 現預金残高の確認
  • 債権債務の発生主義での計上
  • 棚卸額と売上原価の計上
  • 減価償却費の計上 etc

月次決算の処理により作成された試算表は中間報告となります。

売上・利益の動向だけでなく、資金繰りにも関連します。

期首から月次決算までの推移だけでなく、年度末以降に向けて
具体的な経営の修正をするための判断材料にもなります。

とはいえ、上記のご利益をどの経営者も実感できるはず
とは言えません

たとえば、定期的な不動産収入のみでの経営の場合。

経費や支出も乏しく、損益の見通しが立っている場合であれば、
月次決算のご利益は期待できません。

他方、消費税の課税義務者の場合。

利益や所得状況とは異なる消費税負担があります。

年次決算だけでは納税期限ギリギリまで納税額が見通せない
といった不安を抱えることになります。

月次決算不要 途中経過でも的に当てる

2023年より消費税インボイス制度が開始されました。

会計処理や消費税申告・納税が加わったことも負担の増加ですが、
消費税の納税額を含めた資金繰りも課題となりました。

月次決算を行うことで、納税予想に役立てることができます。

月次決算は有効な対策となりますが準備が必要です。

何か月も遅れた月次決算では判断の基準とはなりません。

年次決算と月次決算では確定の精度に違いはありますが、
大きなズレはかえって決算・申告期に不安のタネとなります。

月次決算を不要と割り切れますが、ご利益がある経営状況であれば
適切かつタイムリーな処理がおすすめです。

月次決算は期中の途中経過から経営の的になる情報が得られます。

的に当てるための準備や実行を税理士がサポートできます。

月次決算からの成果に期待する検討がおすすめです。

 

蛇足
2024年(令和6年)4月の石川県は気温は順調に上昇しています。
一方で、黄砂が強く感じられる日も少なくありません。
景色はかすんで、私の黒い車はくすんでみえます(笑)。

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