キャッシュフロー計算書 必要か?

本当にいるのか?

1キャッシュフロー計算書 知られてはいるが
2キャッシュフロー計算書 必要とするのは
3キャッシュフロー計算書 ではそれ以外

キャッシュフロー計算書 知られてはいるが

財務諸表というと、損益計算書・貸借対照表は事業をされている方ならピンときます。
(個人事業・フリーランスだと貸借対照表は作らなくても確定申告はできますが)

対照的にキャッシュフロー計算書はなじみがありません。

内容は一会計期間のキャッシュ(現金とそのお仲間の現金同等物)の増減を、営業・投資・財務活動に分けて表示したものです。

一会計期間というと損益計算書を、キャッシュの増減というと過去と現在の貸借対照表を連想できますが、キャッシュフロー計算書はこの2つから作ることができます。

キャッシュフロー計算書と称されていますが、実態に即していえばキャッシュフロー分析表といった方が良さそうです。
キャッシュフロー計算書自体で特別な計算をするわけではありません。
(英語ではCash Flow Statementなので、「計算書」というとやはりイマイチです)

キャッシュフロー計算書 必要とするのは

会計を学んだ際に、なぜ財務諸表を作成する必要があるかというテーマがありました。

答えは、利害関係者への報告(説明責任・アカウンタビリティ)のためということでした。
事業活動にまつわる粉飾・汚職・不正を想定すると、投資者や取引関係者を含めた利害関係者への説明責任の必要性は納得です。

とくに公開企業では、発生主義による損益計算書・貸借対照表ではわかりづらいキャッシュフローを把握したいという欲求は当然とも言えます。

しかし、その一方で公開企業でも大組織でもない中小企業や個人事業・フリーランスには必要なのかという疑問もでます。

キャッシュフローの内、財務活動は銀行借入とその返済、投資活動は固定資産の増減であり経営者なら当然把握している内容です。

営業活動のキャッシュフローは、売上・売上原価・人件費・販管費等の推移と売掛・買掛・棚卸の増減を把握していることが優先です。

キャッシュフロー計算書 ではそれ以外

経営者が経営のためにキャッシュフロー計算書を必要とするかといえば、あればなお良いという印象です。

キャッシュフロー計算書よりも損益計算書・貸借対照表の正確でタイムリーな把握と、事業活動の計画との差異を確認して対策を打つ方が必要なはずです。

過去の実績と将来を繋ぐという観点からは、計画や資金繰り表とのにらめっこをすべきです。

限られた時間で先手を打つなら優先順位は必要になります。

 

蛇足
会計事務所でキャッシュフロー計算書を作って経営者の方に見せたところ、仕入を支払手形から毎月振込に替えたので単月での資金繰りが厳しくなったことがよくわかると言われたことがあります。
悪い気はしなかったものの、貢献は別のところで発揮したかったです。

 

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