DX推進に期待される人材とは?
「デジタルスキル標準」の公表
「推進」は堅苦しさが少ない表現です。
実態は「変革」や「改革」より強い意味がこめられている
といった可能性もあります。
デジタルスキル標準 具体的だから融通が利かない?
とっつきにくい課題や不慣れな問題には、
- 問題を細分化して
- 具体的な指示が欲しい
ということがよくあります。
とりあえず、目前の処理をこなしていくことで前進できます。
反面、上記のような個別具体的な対応を追い続けると、
- 状況の変化を読めない
- 自律的なスキルアップができない
- スキルや技術の転用や応用に出遅れる
とパッとしない状況に陥りそうです。
個別具体的な対応がマズイというわけではなく、
一歩引いた目線も必要になります。
「デジタルトランスフォーメーション(DX)」にも当てはまります。
デジタルスキル標準 抽象的だから効果的?
経済産業省がDX推進のための指針として、
- 「デジタルスキル標準(DSS)」
を公表しました。
ペーパーレスやキャッシュレスといったテーマでも技術でもなく、
- 人材の育成と採用
に焦点を当てています。
指針としての抽象性に留意する必要があります。
DXを推進する人材の役割や習得すべきスキルの標準の「DX推進スキル標準」では、
人材類型が定義されています。
「標準」と「類型」を示すことで柔軟な対応につながるという発想です。
「デジタルスキル標準」は抽象度の高い指針を示す一方で、
- 具体的な工程表
- 明確な期限
といった時間的な制約は示していません。
抽象的な指針だからというよりも、
- DXは具体的な目標の達成で終了ではない
というメッセージかもしれません。
デジタルスキル標準 税理士の役割とは?
私が所属している税理士業界では、AIの脅威が言われる一方で、
ICT化の遅れが指摘されていたりもします。
とはいえ、税理士法でICT化を推進して納税者の利便性を向上させる
といった期待も強まっています。
税理士は通常「ナカノヒト」ではなく、組織外部からサポートします。
サポート対象も個人や小規模事業者が目立ちます。
小規模な組織では「デジタルスキル標準」での人材類型を
重複して担うことになります。
臨機応変に柔軟に対応できるともいえますが、ムラや漏れが出やすい可能性もあります。
税理士が関与する分野は経理処理を中心とした事業全体では限定的な分野です。
- クラウド会計
- 電子申告
- ペーパーレス
- 電子帳簿保存法
- キャッシュレス etc.
局所的で具体的な対応を進めるからこそ、抽象的で一段高い目線も必要になります。
抽象度の高い「デジタルスキル標準」を横目でみながら、
DXへの試行錯誤を進めることになりそうです。
蛇足
「DXスキル標準」の「人材類型」のイラストをみると、
- 5人
- 色違い
という構成から「DXレンジャー」と連想してしまいます(笑)。
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