セミナーやテキストを漁ることは残念な学習方法か?
「学習」のとらえ方次第では見方が変わるかもしれません。
幸運につながる学習も試行錯誤の対象です。
ちょっとずつ季節も変化
きょろきょろ学習 残念な打算の夢の跡
「夏草や 兵どもが 夢の跡」といえば松尾芭蕉。
「積読を 眺めるだけで 成果出ず」といえば…、
詠み人知らず(笑)。
資格試験・外国語・プログラミングといったジャンルは
書店でも大きなコーナーを占めています。
残念かつ忌々(いまいま)しいことに、私の蔵書にも該当します。
- なんとか理解したい
- もっとわかりやすい説明があるはず
- 今度こそ…
そうした打算を性懲りもなく繰り返すと、
残念な書籍の山が出来上がります。
一定の達成基準が広く共有されている学習対象では、
- 定評のある
- 少数のテキスト・問題集・セミナーを厳選して
- 反復・繰り返し
といったスタイルが成果につながります。
とはいえ、「学習」対象次第では選択の違いも出てきます。
きょろきょろ学習 それは考えなかった!
昨年2021年(令和3年)から今年2022年にかけて、
- 消費税インボイス制度
に関するセミナー受講や資料の確認を続けています。
消費税インボイス制度は2023年10月よりスタートします。
消費税はざっくり表現するとシンプルな仕組みです。
その一方で、税理士賠償責任保険ではトラブルメーカーとして
危険視されている税制度でもあります。
インボイス制度は、
- 消費税の仕入税額控除の厳格化
- 免税事業者の益税問題の解消
- 課税事業者登録制度
といった考え方や仕組みはそれほど難解ではありません。
インボイス制度の概要だけを眺めると、
- 課税事業者に登録して
- 法律に沿ったインボイスを発行して
- 納税をすればOK
となります。
上記の反応が間違っているわけではありません。
専門家以外の経営者や経理担当者にとっては、
関連する処理や影響を把握することが先決です。
不用意に手を広げすぎる、欲張った理解を狙うと
「打算の夢の跡」に陥ります(笑)。
一方、専門家である税理士の場合には事情が異なります。
対顧客サービスでは、想定外や予想外の状況があります。
とくにこれまでの知見の蓄積が乏しい制度では、
- それは考えなかった!
といったケースに遭遇する機会が増えます。
たとえば、取引でインボイスが受領できなかった場合。
消費税の仕入税額控除の処理に関心が集中しますが、
法人税の別表調整が必要なケースもあります。
税務実務上、試験やテストはありません。
外部からの指摘や想定外の刺激に出会わない限り
理解の欠落を放置しかねない状態となります。
達成の基準どころか、具体的なトラブルが現実に無い場合、
刺激の異なる「学習」が有効になります。
きょろきょろ学習 見切りも大切
消費税のインボイス制度に関連したセミナーは、
2022年中は続きそうです。
その一方で、「見切り」の判断もつけていく必要があります。
税理士が税金の専門家とはいっても応対する対象は、
限られた顧客対応です。
セミナーや資料を漁(あさ)って刺激を受けつつ、
具体的な守備範囲を固めていく必要があります。
蛇足
税理士になっても勉強した方がいいかな?
と登録以前に考えていたことがあります。
何もわかっていなかったわけです(笑)。
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