住民税の計算構造をザックリ理解する!
ふるさと納税が反映されていましたか?
住民税は所得税と似ていますが、注目度は低めです。
とはいえ、税金である以上は負担がともないます。
所得税との計算の違いをザックリ確認がおすすめです。
ザックリ住民税 所得税に隠れる!?
所得税は何かと話題になる税目です。
累進課税制度による納税者ごとの税負担の違いや
確定申告制度の複雑な手続きが無視できないためです。
毎年冬、2月から3月は確定申告期という集中期間もあり、
税理士も課税当局も力を入れています。
他方、住民税は所得税に比べると注目度はグッと低くなります。
所得税の確定申告が住民税の申告につながっていることや
税額の決定・通知が自治体側でなされる仕組みのためです。
決定された住民税額を粛々と納税することになります。
とはいえ、住民税は申告した所得とつながる税目であり、
住民税特有の負担もあります。
ザックリ住民税 所得割と均等割
所得税の仕組みはザックリとらえれば以下のとおりです。
- (所得-所得控除)✕累進税率=所得税額
- 所得=収入-経費
累進税率は所得が大きくなれば適用される税率も高くなる仕組みです。
住民税の計算の仕組みは所得税に似ています。
ただし、「所得割」と「均等割」での税負担があるという点で
所得税の構成とは異なります。
まずは「所得割」。
- (所得-所得控除)✕税率10%=住民税額の所得割額
所得控除は所得税と若干相違しますが似通っています。
大きな違いは適用される税率です。
都道府県民税と市町村税を合わせて10%の固定税率となります。
住民税の税率は累進税率ではなく固定化された比例税率です。
所得を基礎に計算される税額のため「所得割」分となります。
住民税は所得割に加えて、「均等割」分の税負担もあります。
- 均等割額
- 森林環境税額
均等割分はあらかじめ税額が固定されています。
所得金額によっては均等割分が免除されることもあります。
ザックリ住民税 ふるさと納税は反映されたか?
住民税は「ふるさと納税」と関連して注目されます。
前年に利用したふるさと納税分が住民税に反映されているか?
といった確認をとることになります。
通知書では「税額控除」を確認することになります。
「ワンストップ特例制度」を利用している場合には下記を確認します。
- ふるさと納税額-2,000円=税額控除
- 通知書の「摘要欄」にも記載があります。
所得税の「確定申告」をした場合は住民税に加えて所得税の申告書も
確認の対象になります。
所得税の申告書を参考に以下の金額を計算します。
- (ふるさと納税額 -2,000円)× 所得税の税率×1.021
所得税の税率は申告書右上と税率表から確認できます。
- 課税される金額(㉚)✕税率(㉛)
税率は以下の表を参照します。
住民税通知書の金額と所得税の申告書から計算した金額の合計が
(ふるさと納税額 -2,000円)であれば反映されています。
住民税の注目度は高くありませんが、ふるさと納税に関心があれば
無視できない税目になります。
蛇足
住民税は計算や申告でも所得税の影に隠れがちですが、
給与での源泉徴収でさらに見えにくくなっています。
長くつきあっていくはずの税金ではあるのですが
ピンとこない税目になりがちです。
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