月次決算での不満や課題はExcelに!
変化を見逃さない!

頑張って取り組んだからには成果がほしい!
という気持ちは納得です。

とくにカチッとした成果があるとホッとします。

問題は成果の形式と内容の取り違えかもしれません。

月次決算の後 年次との成果の違い

一年間の経営を締めくくる年次の本決算は処理だけでなく、
結果も経営に影響します。

法人税・所得税・消費税といった税負担だけではなく、
金融機関からの借入にも影響します。

処理の結果も損益計算書や貸借対照表といった決算書、
税務申告書でカチッとまとめることになります。

一方、「月次決算」となると様相はガラッと変わります。

まず、「決算」とはいうものの義務ではありません。

月次決算であっても処理や確認では年次決算に通じますが、
税負担などの直接的な影響は表面化しません。

決算書を作るわけではないので、「試算表」にとどまります。

うっかりすると、試算表が月次決算の成果と誤解しそうです。

月次決算の後 不満と課題をExcelに!

試算表」という字面だけをみると誤解しそうですが、

  • 経営の取引を「仕訳」で表した結果を集計したもの

というわけで日常の会計処理とつながっています。

損益計算書や貸借対照表のようなカチッとした形式ではなく、
勘定科目と数字の羅列なのでわかりにくいかもしれません。

経営が反映されているにもかかわらずわかりにくい
という点は試算表の印象です。

月次決算・試算表を経営に活用しよう!と言われても、
かえって気が重くなりそうです。

試算表は経営データの集積、分析の根拠になりますが、
会計ソフト内だけで確認する対象ではありません。

むしろ、試算表のデータをExcelで加工することがおすすめです。

試算表のデータをExcelで加工する対象では、

  • 売上・利益・経費の分析
    • グラフ化(折れ線・棒グラフ・円グラフ)
    • 支店・店舗別・担当者別
  • 資金繰り表の作成
  • 売掛金の管理
  • 納税予測 etc

といった活用が考えられます。

総花的にデータを加工する必要はありません

試算表は決算書や申告書のように提出するわけではなく、
経営の課題に沿って加工することになります。

月次決算の後 変化を見逃さない!

私は税理士として月次決算をおすすめしていますが、
ちょっと誤解されることもあります。

月次決算を会計処理の分散化のためだけに行う
という見方はよくある誤解です。

会計処理の分散化や早期化はおすすめですが、
目的は課題の早期発見や対処のためです。

経営を著しく左右するほどの変化はともかく、
気づきにくい変化や細かな変化はあります。

そうした変化が1年間を振り返ってわかっても、
後の祭りかもしれません。

変化を見逃さない、手を打てるようにする!
といった点に月次決算の成果が現れます

試算表を早期に作成できることも大切ですが、
その先の活用に魅力があります。

 

蛇足
アイキャッチ画像は近所でみかけた「カラスノエンドウ」です。
春以降、次から次に植物が成長してきます。
スマホで撮影→Googleレンズで検索を繰り返して確認しています。
「雑草」でスルーではせっかくの季節の変化を見逃しそうです。

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