税制改正大綱のどこが読めないか?
AIサポートの限界とは?

政治や法律に関連する文章での成果は堅苦しいのですが、
毎年無視できない対象があります。

与党の税制改正大綱もその一つです。

無視できない変化が詰め込まれています。

税制改正大綱読解で遭遇

読めない大綱 定番のAIサポート

2024年(令和6年)12月も例年通り与党の税制改正大綱が出されました。

10月の衆議院選挙で自民党・公明党の与党勢力が後退したので、
野党の国民民主党の存在が注視されることになりました。

長年放置されてきた所得税の「103万円の壁」の議論が進んだ
という点で注目は高まりました。

他方、改正大綱は税制度全般に言及しています。

A4で100ページ以上のボリュームということもあり、
とっつきやすいとは言えません。

AIの力を利用して眺めてみることもおすすめです。

あらかじめウェブ上より大綱のPDFファイルを入手しておき、
ChatGPTに読み込ませれば、短時間で要点を把握できます。

読めない大綱 AIの限界?

改正大綱のPDFファイルと的を絞った指示(プロンプト)を組み合わせれば
要点の把握は難しくはありません。

ポイントだけを列挙すると以下のとおりです。

  1. 中小企業経営強化税制の拡充
  2. 軽減税率の適用期限延長
  3. 事業承継税制の見直し
  4. 地域未来投資促進税制
  5. 固定資産税の特例措置
  6. 記帳水準の向上

これといった目玉になるような変化はなさそうです。

とはいえ、AIへの指示が充分とは限りません。

追加で質問してみます。

あるじゃないですか(笑)。

変更ではなく「創設」ということで見逃せません。

ChatGPTの要約を眺めた後は本文で確認します。

  • 防衛特別法人税=(法人税-500万円)✕4%

「復興特別所得税」と同じく影響は限定的になりそうです。

他方、改正大綱で今後の展開が公表されていながら見逃すのは残念です。

AIの要約は資料や報告の効率的な概要の把握には有効ですが、
利用者の指示が万全とは言えない問題があります。

読めない大綱 ちょっとした記述の発見

私は税理士として税金に関わるサービスを提供していますが、
税制度全体に通暁しているとはいえません。

改正大綱の本文を見ていてもピンとこない箇所は多々あります。

たとえば、採鉱準備金や海外採鉱準備金制度の改正。

御縁がありません(笑)。

影響する金額は大きいかもしれませんが、対象は限られそうです。

上記の記述は目にはとまりますが、大半の方にはスルーで問題なさそうです。

一方、ちょっとした記述でも今後影響しそうなこともあります。

令和9年(2027年)まではファイル形式の追加が期待できないようです。

税制改正大綱は、、AIによる要約で効率的に概要を把握しつつ、
本文を確認すると新たな発見がみられます。

 

蛇足
アイキャッチ画像は2027年(令和9年)開催の「国際園芸博覧会(横浜市)」のマスコットキャラ
「トゥンクトゥンク」です。
改正大綱でも国際園芸博覧会に言及があります。

博覧会の準備に税制改正大綱が関連しているという視点は新鮮ですね。

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