会計ソフトの選択は事業者の悩みどころか?
期待過多と問題のすり替わりにご注意!
経営を続けることは判断の連続です。
単発的で影響の小さいこともあれば、影響が大きく長引くことも。
会計ソフトの選択の悩みは切り分けることがおすすめです。
悩みどころ 問題の優先と軽重
経営と判断はイコールと言える関係です。
多かれ少なかれ、経営をすることは判断をすることになります。
会計ソフトの選択もその一つです。
事業が小規模、副業、損益計算中心といった段階であれば、
手書きでも表計算ソフトの利用でも間に合います。
他方、事業規模・雇用・借入・投資が拡大していくと、
経理処理もシフトチェンジすることになります。
経理の効率性だけでなく、経営の判断に役立てることまで
会計ソフトに期待したくなります。
とはいえ、会計ソフトの選択の優先度や重み付けには
誤解がありそうです。
悩みどころ 同じところ・違うところ
2024年(令和6年)7月3日、北陸税理士会の「デジタルフォーラム」が
金沢市で開催されました。
税理士と事務所職員の参加とともに、企業・団体の参加もありました。
私は委員の一人で裏方で参加しました。
主要な会計ソフトを提供している事業者が多数参加しており、
日頃利用していないサービスをみる機会となりました。
税務会計業務は会計ソフト無しには成り立ちません。
来場者は複数の事業者のブースを見て回っていたようでした。
各社とも効率的な税務会計業務の運営に貢献できることを
PRしていました。
- 自動化
- 連携
- クラウド
- AI
- OCR etc
どの仕様や機能も短期・単発で利用するわけではなく、
長期に税務申告と関連する対象です。
選択次第では業務の効率化が大きく左右されます。
また、コストも導入だけでなく、継続しての使用も検討対象となり、
見逃せません。
一方で、一般の事業者の目線から会計ソフトの選択をとらえると、
- 会計ソフトの選択はどれだけ重要か?
- 会計データの会計ソフト以外での利用を検討しているか?
といったツッコミどころがあります。
悩みどころ 現状と期待する成果の棚卸
会計ソフトの選択の段階で悩まれる事業者の傾向では、
- 会計知識や理解が乏しい
- 会計と税務申告の違いの理解が不明瞭
- 会計データを利用する状況を想定できていない
といった皮肉な段階だったりします。
上記の段階では、会計ソフトの導入・利用によって全ての問題が解消
と期待過多になりがちです。
期待が外れるとは言えませんが、会計ソフトの「購入(支払)」が
導入・利用とすり替わることもあります。
会計ソフトの選択は経理だけでなく、経営にもプラスになります。
そのためには、現状の税務会計の理解や期待していることを整理、
棚卸してみることがおすすめです。
ピンとこないのであれば、外部のサポート・税理士への依頼を
検討するタイミングともいえます。
会計ソフトの選択だけでなく、会計データの利用を含めて、
導入から運用に至る検討を進めることになります。
蛇足
アイキャッチ画像は日本税理士会連合会マスコットの「にちぜいくん」です。
デジタルフォーラムに参加していただきました。
分身ではありません、念の為(笑)。
金沢国税局からは「イータくん」の参加もありました。
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